飯田市立動物園(飯田市扇町)が7月18日、絶滅が危惧される国内希少種「アカモズ」の一般公開を始めた。
同園のアカモズは2025年11月、豊橋総合動植物公園(愛知県豊橋市)から2羽を譲り受け、非公開施設で飼育し一般公開に向け、止まり木や柵、餌台などを設置するなどして準備を進めてきた。縄張り意識が強いため、現在は1羽のみを公開している。
同園では2025年から、「長野アカモズ保全ワーキンググループ」「アカモズ生息域外保全ワーキンググループ」に参加。貴重な繁殖地がある県内の動物園として、アカモズの分散飼育を行い、現状を地元住民や来園者に知ってもらうことを目的にアカモズの導入を決断したという。
保全活動には、生息地域内で行う「域内保全」と地域外で行う「域外保全」があり、生息域外保全の取り組みとして、生息地で、何らかの理由で親鳥が抱卵をやめてしまった卵や弱ったひなを保護し、豊橋総合動植物公園が中心となり、人間環境大学(愛知県岡崎市)などと協力しながら人口孵卵(ふらん)や育雛(いくすう)を行っている。
アカモズはアジアに広く生息しているが、日本国内のみで繁殖しているという。かつては日本各地で見られたが、近年個体数が減少し生息数も200羽程度。2022年時点で確認できた本州に生息する個体群は「45つがい」のみで、2026年にも地域絶滅すると予測されていた。
飼育員の石川鈴夏さんは「長野県内で希少なアカモズが繁殖していることや生態、保全活動への理解と併せて展示室前のパンフレットも手に取ってもらい、アカモズの存在を身近に感じてほしい」と来園を呼びかける。
アカモズは環境省のレッドリストに登録されており、2026年3月、絶滅危惧1B類(EN)から絶滅危惧1A類(CR)に引き上げられた。
開園時間は9時~16時30分。月曜、祝日の翌日休園。入園無料。