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夫婦で選んだ南信州での新規就農 「村新農園」が描く未来

 キュウリや市田柿を栽培する「村新(むらしん)農園」(飯田市北方)の村山翔太郎さんと仁美さん夫婦。結婚後は埼玉県で会社員として働いていたが、農業に関心を持ち、2023年に長野県へ移住。今年4月から、本格的に就農し、農園をスタートさせた。

――農業を始めようと思ったきっかけは。
 翔太郎さんは「何か新しいことに挑戦したい」と考えるようになり、夫婦で農業を志した。 自然が好きな仁美さんは、登山やキャンプで度々長野県を訪れていたことから、東京で開かれる農業フェアや移住フェアへ足を運び、移住先として南信州を選んだ。

 ――就農までには、どのような準備をしましたか。
 JAみなみ信州(飯田市鼎)の「南信州担い手就農研修制度」を利用した。同制度は地域おこし協力隊制度を活用し、収入を得ながら最長2年間、「夏秋キュウリ」と「市田柿」の複合経営を学ぶ仕組みとなっている。 夫婦で同時に研修を受けることはできないため、仁美さんが2023年4月から2025年3月まで第7期生として受講。一方の翔太郎さんは埼玉県で勤めていた会社の仕事を長野県でもテレワークで続けキャリアを積みながら就農準備を支え、今年3月に退職して農業に専念した。


――研修を経て、就農して感じたことは。
  
仁美さんは同制度初の女性研修生として、研修生が管理する農園での実習や座学を通じて栽培技術や農薬の基礎知識などを学んだ。卒業生との交流を通じて移住先での人とのつながりもでき、女性専用の休憩室なども用意してもらえたことがありがたかったという。 仁美さんは「1年目は情報量が多く、覚えることに精いっぱいだったが、2年目でようやく理解できるようになった。研修で教わったことの意味を就農してから実感している」と振り返る。 翔太郎さんは「最初の1カ月は体力が追い付かなかった。知識も一気に増えて大変だったが、自分たちの農園のために働けることがモチベーションになっている」と話す。

――現在はどのような作物を育てていますか。
 現在は約7アールでキュウリ約700本を栽培するほか、市田柿約50アール(約120本)とモモ約10アールを管理している。キュウリは「夏もよう」550本と「蒼夏(そうか)」150本を定植し、6月5日に初収穫を迎えた。 定植後は気温が1週間上がらず、生育を心配する日が続いた。収穫を迎えたときはホッとしたが、「収穫できる時期が遅いかな」などと感じたと振り返る。

 ――「村新農園」という名前には、どんな思いがありますか。  
 農園名の「村新」は、翔太郎さんが「新潟の祖父母が営んでいた織物店の屋号に由来している。祖父母が店で生き生きと働く姿が印象に残っていた」と紹介し、仁美さんも「新たに就農する」という思いも重ねて名付けたと話す。


――これから目指す農園像を教えてください。  
 仁美さんは「研修で教えていただいたことを生かし、『飯田といえば村山』と言ってもらえるような生産者を目指したい」と意気込みを語る。  新しい土地での暮らしと農業を夫婦で一から築き始めた村山さん夫妻。二人三脚の挑戦は、南信州で着実に歩みを進めている。

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