飯田市出身・在住の漫画家・猫十字社さんが7月7日、飯田市役所で開かれた寄贈式で、自身の軌跡をまとめた単行本「猫十字社の世界」(双葉社)を飯田市へ寄贈した。
同書は6月17日に発売されたもので、市内の図書館や学校図書館などに配架される予定。同書には代表作の紹介やイラスト、資料のほか、1万字を超えるロングインタビューや、ルーツである飯田市を紹介する「飯田市マップ」などを収録している。
同書を担当したクラリスの光元志佳さんは「ファンタジーやギャグなど、さまざまなジャンルを描いてきた猫十字社さんの世界観全体を紹介したかった。作品の世界観の原点が、この飯田にあることも表現したかった」と話す。
猫十字社さんは1978(昭和53)年にデビューし、「小さなお茶会」「黒のもんもん組」などで知られる。近年はステージ4のがんを公表し、闘病を続けながら創作活動に取り組んでいる。
寄贈について、猫十字社さんは「病気になって『このまま消えてしまったら』と思った。少しでも飯田市に貢献できたらという思いがあった」と話し、書籍の見どころとして、自身が出雲を旅した際の記録をまとめた「出雲旅行記」を挙げた。
今後については、代表作「小さなお茶会」の大人向け作品として、飯田の居酒屋文化を題材にした作品を構想していることも明かした。「漫画にするだけのパワーがあるか心配」と笑いながらも、「絵と文章で、飯田の居酒屋文化を、大人向けの少し不思議で面白い作品として表現したい」と意欲を見せる。
佐藤健市長は、市内中学校への寄贈に触れ、「地元で活躍している姿を見て、将来を考えた時に勇気がもらえるのでは」と期待を寄せた。