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飯田の秀水美人画美術館で常設展「春兎」 春らしさ感じる美人画展示

浅井秀水さんの作品「花かげ」

浅井秀水さんの作品「花かげ」

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 中央道飯田インターから車で15分ほどの場所にある「秀水美人画美術館」(飯田市上郷、TEL 0265-53-3855)で現在、第115回常設展「春兎(はるうさぎ)」が開催されている。

浅井秀水さんが使っていた画材

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 今年の干支(えと)である「兎(う)」と初春のイメージに合わせ、若いモデルが描かれた作品22点を並べる。作品「舞妓二人」「新春の舞妓」などに描かれたモデルの髪型や着物の色や柄から10代の女性と考えられ、モデルの年代によって描かれるテーマが異なることから、色や春らしさが感じられる展示となっている。「娘道成寺」などの踊りの場面や、「龍頭観音」などの仏画の作品も並ぶ。

 1918(大正8)年、当時の上郷村出身の秀水さんは33歳の頃に伊東深水に師事し、3年後には日展に初入選。以来、連続13回の入選を果たした。フランスでの評価が高く1980(昭和55)年には「ル・サロン展」入選し優秀賞を受賞した。今回は、受賞作品「花かげ」も展示する。

 秀水さんは制作活動場所を途中から東京へ移したが、故郷でも作品を見られる場所として、同館と20~30号などの作品200点以上を同市へ寄付した。同館では年4回、作品を入れ替え、テーマに合わせて展示を行う。

 伊藤深水の影響を受けたと見られる秀水さん30代の頃の作品では、日本画の画材を使って色を重ね西洋画のように描いた作品もあり、線をしっかりと描いた日本画との筆使いの違いも感じられる。同館職員の濱田里美さんは「秀水の作品は『早すぎたクールジャパン』と表現できる。それぞれの女性の表情を今回は見てほしい」と来館を呼びかける。

 開館時間は9時30分~17時。月曜休館(祝日の場合は翌日休館)。観覧料は、一般=200円、高校生=150円、小中学生=100円。隣接の考古博物館と共通。3月2日まで

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