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ピーエーイー豊丘工場にオール信州モデルの太陽光発電所 20%の電力賄う

ピーエーイー豊丘工場屋根に設置された太陽光発電パネル690枚(写真提供:リックス)

ピーエーイー豊丘工場屋根に設置された太陽光発電パネル690枚(写真提供:リックス)

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 八十二銀行の子会社「八十二Link Nagano(リンクナガノ)」(長野市中御所)が8月23日、ピーエーイー豊丘工場(豊丘村神稲)にオンサイトPPAによる太陽光発電システムでの電力供給を開始した。

発電の様子が見えるモニターの前で記念撮影 ピーエーイー武田慎一郎社長(左から2人目)

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 発電事業者で設備所有者の八十二リンクナガノは2022年10月に創業し、再生可能エネルギー電力の発電供給事業などを手がける。今回の事例は、今年2月に契約したみすずコーポレーション(大町市)に次いで2例目。オンサイトPPA契約は、発電事業者が需要家の敷地内に太陽光発電設備を設置し、所有・維持管理をした上で、発電した電気を需要家に供給する仕組み。需要家のピーエーイーは初期投資がゼロのメリットがある。今回は、発電所の設計・施工・運転管理をリックス(飯田市三日市場)に委託したため、全てが長野県内事業者による初のオール信州モデルとなる。

 需要家のピーエーイーは、自動車向けの樹脂成型、金属加工を手がけ、エコアクション21の取り組みや長野県SDGs推進企業に認定されるなど、環境分野の取り組みも積極的に行う。豊丘工場の屋根に設置したパネルは690枚。契約期間は2044年8月までの20年間。年間発電量は約30万キロワットアワーで、一般家庭70世帯分の年間消費電力に相当する。同工場の約20%の電力を賄い、年間で約132トン、20年で約2500トンのCo2削減を予定する。

 同工場で行われた開所式で武田慎一郎社長は「非常にいい提案を頂いた。オール長野の地元で完結できたことがうれしい。既に想定を上回る効果が出ているので、この事業が各地域で普及していけば」と期待を込める。「設置費用などのコストメリットもあるが、資金を事業で使いたいときに、今回のような提案があると中小企業としては助かる」とも。八十二Link Naganoの神谷健一社長は「この発電所はピーエーイーのSDGsやエコアクションの取り組みに沿ったもので、環境経営の取り組みに対して貢献できた」と胸を張る。リックスの熊谷弘社長は「2050年ゼロカーボンシティーの実現のために努力している。設備については発電効率や安全性に配慮した」と話す。

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