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アップルキャブが新事業「家族の絆タクシー」子どもが親のタクシー代負担

鈴木佳史社長とタクシーチケット・専用のプリペイとカード 

鈴木佳史社長とタクシーチケット・専用のプリペイとカード 

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 親元から離れて暮らす子どもたちが両親の使うタクシー代を負担する「家族の絆タクシー」事業を「アップルキャブ」の名称で親しまれる南信州広域タクシー(飯田市上殿岡、TEL0265-28-2800)が始めて、6月1日で2か月がたつ。

家族の絆タクシーチケットと飯田市のタクシー券(プリペイドカード)

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 同事業は、飯田市民・阿智村民向けのサービスで、同地域に住む両親の使うタクシー代の負担を少しでも軽減するため、地域内外問わず、別居する子どもがタクシー代を負担するサービス。親子で事業に登録し、負担割合は1割から9割の間で、親子で設定する。利用者にはタクシーチケットを発行し、乗車時に負担割合に合わせた金額を清算。残りは毎月、子どもに請求するシステム。

 同地域の公共交通機関は電車や路線バス、乗り合いタクシーがあるものの、利用できる時間や区域は限られるため、タクシーは公共交通として利便性が高い。一方、割高感があるため気軽に利用するわけにはいかない側面もある。そこで、免許を持っていない、あるいは返納したなどタクシーを使わざるをえない人が、もっと気軽に使えるシステムを考えた。

 タクシー料金は国が定めた基準で各社が決めるため、容易に価格変更をしたり値下げなどしたりできないのが現状。鈴木佳史社長は「子どもの負担で少しでも親が外に出る機会を増やし、値下げと同じ効果を期待する」と話す。

 同事業の副産物として、全国で問題になっている高齢者の事故の減少や、免許返納のハードルを下げる効果も期待されるという。「子ども側は離れて暮らす親の行動記録が請求書から分かるため安心」とも。

 鈴木社長は「公共交通事業者としてこの地域の移動手段の最後のとりでとして、使命感をもってサービスを提供する義務がある。これからも使いやすいシステム、乗りやすいサービスを自治体や同業者などと連携して提供していきたい」と前を向く。

 専用のプリペイドカードやタクシー補助券も販売。飯田市と阿智村のふるさと納税の返礼品にもなっている。現在利用者登録を受け付けている。

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