給排水設備工事などを手がける「東設(とうせつ)」(飯田市座光寺)が6月28日、前身の「平井設備」設立から50年を迎える。
同社の前身は「ハウジングセンター平井」で1972(昭和47)年創業。友人の誘いを受けて同社へ入社した、東設創業者の筒井逸郎さんは、給排水工事申請責任技術者の資格を持っていた。上水道の普及が進む中、給水・給排水工事の経験を積み、1976(昭和51)年6月28日、「平井設備」として分離独立。5人で会社を立ち上げた。
当時、飯田市内で給水装置工事を行うには、市から「指定給水装置工事事業者」の指定を受ける必要があり、許可事業者も限られていた。同社は上水道普及に伴う給水工事や給排水工事を中心に、住宅の新築に伴うトイレ、風呂、キッチンなど水回り設備工事を手がける。
筒井さんは、昼は営業、夜は図面作成や見積もり、自ら現場にも立つ日々を送ったという。人材体制の立て直しや工事申請責任技術者の配置を進め、経営改善にも取り組んだ。1979(昭和54)年には「大きな会社になりたい」との思いを込め、「東洋設備」に社名変更。翌年には、上飯田から現在の座光寺へと移転した。1994(平成6)年3月18日には現在の「東設」に改めた。
1980年代後半から1990年代に進んだ下水道整備では、飯田市内の千代地区、千栄(ちはえ)地区のほか、豊丘村、喬木村、高森町などで工事を担った。リフォーム需要の高まりに合わせ、大工工事やクロス張り替えも含めた提案型へ事業を拡大。自宅を改装した展示施設「トイレプラザ」を設け、「松・竹・梅」のコース別に設備や工事内容を示し、完成後の暮らしをイメージできるよう工夫した。
現在は管工事業の特定建設業許可をはじめ、一般建設業、土木、水道施設工事などの許可を取得。親族5人と従業員、協力会社を含め約18人体制で事業を展開する。緑ヶ丘学園、松尾小学校(松尾)の体育館空調工事(7月17日完成予定)なども担う。
2013(平成25)年からは長男の慎太郎さんが社長を務め、筒井さんは会長職に就いた。その後、周囲からの声を受けて飯田市議会議員選挙に立候補。受注者と発注者の立場が重なることへの配慮から会長職を退き、市議を1期務めた後、次世代へ議員のバトンを託した。
筒井さんは「水洗化工事は大変だったが、完成すると皆さんが喜んでくれて、やりがいがあった。19歳から60年近くこの仕事一筋でやってきた。水回りは生活に欠かせない」と振り返る。
「社会の変化は激しく、日本を取り巻く環境も大きく変わっていく。コンピューター導入時は苦労したが、独自の見積もりソフトも作り、SFの世界が現実になっていくのを目の当たりにした。過去の成功体験が通用するような時代ではない。これからを考えるのは若い人」と今後を見据える。その上で「365日、必ず電話当番を置き、地域の皆さんの暮らしを支えたいとの思いで続けてきている」と話す。