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飯田市職員の能登半島地震被災地支援報告会 飯田下伊那地域の教訓に

壇上であいさつする佐藤健飯田市長

壇上であいさつする佐藤健飯田市長

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 飯田市は3月25日、令和6年能登半島地震災害派遣職員の活動報告会を飯田文化会館(飯田市高羽町)で開催した。

一級危機管理士の後藤武志危機管理部危機管理課長の発表の様子

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 報告会は、元日に発生した能登半島地震の被災地支援に多くの職員を派遣した飯田市が、活動で得た経験を飯田下伊那地域に生かすことを目的に開いた。会場には行政関係者、日赤、自主防災会など150人の市民が駆け付け、職員の報告を真剣なまなざしで聞いた。

 報告は「応急給水支援」「下水道管の被害状況調査支援」「DMAT」「災害廃棄物処理」「住家の被害認定調査・り災証明発行業務」「避難所運営」「飯田広域消防本部対応」「中越大震災ネットワークおぢやの活動」など多岐にわたり、担当職員が当地域で震災が起きた場合の問題点や対策、備えなどをまとめる形式で行った。

 一級危機管理士で飯田市危機管理部危機管理課の後藤武志課長は「中越大震災ネットワークおぢやの活動」を通じ、「災害対応の原点となる能力はコミュニケーション力」と話し、「人の話をよく聴く力をつけて、いかに落とし所を見いだせるかが肝要」と説いた。

 佐藤健飯田市長はJDAT(日本災害歯科支援チーム)の報告を紹介し、「断水などで歯磨きができないなどの状況が続くと口の中の細菌が増え、肺に入り込むと誤嚥(ごえん)性肺炎を発症しやすくなる。災害関連死の30%が呼吸器感染症によるものとし、口腔衛生の管理も大事」と報告した。

 報告会のまとめで佐藤市長は、当地域に生かすべき教訓として、「倒壊しない建物に住む」「建物内の安全性を高めるための対策とその周知」「木造密集地域の防火対策」「道路整備の推進と強靭化」などのほか6項目を挙げ、「災害時に行政ができることは限られており、行政にしかできない仕事に集中していく。地域のコミュニティー力がしっかりしているところは応急対応や復旧も早い」とまとめ、「2024年度は地域とのつながりや自治の力をつけていく研修会なども予定している」とコミュニティー力の推進を行う予定だ。

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