移動式で無人販売を行う「無人花屋のはな」が6月13日で、3周年を迎えた。飯田下伊那地域を中心に、カフェや個人店の軒先などで植物を販売している。
店主は北原未貴さん。大学の農学部を卒業後、造園会社に約10年間勤務し、庭の設計などに携わってきた。仕事を通じて植物や材料の仕入れに不都合を感じることがあり、「自分で植物を育て、販売したい」と考えたことが独立のきっかけになったという。
2023年6月13日に営業活動を始め、現在は飯田市鼎下山の約300平方メートルの畑で、年間を通じて約100種類の植物を生産する。取り扱うのは「初心者向け」を基本にした植物で、気軽に花や植物を楽しんでもらうことをコンセプトに掲げる。
北原さんは日本原産の植物を特に好み、日本ハッカや日本原産のミント、岐阜県の能郷地区に由来するイチゴの原種「能郷イチゴ」なども育てる。能郷イチゴは山に自生する野生種として知られる。夏に向けては、マリーゴールドやペチュニアなど季節の花を中心に販売していくという。
販売形態は無人販売が中心。依頼を受けたカフェや個人店の軒先に期間限定で設置するスタイルで展開する。北原さん自身もカフェ巡りが好きだったことや、子どもの誕生をきっかけに、時間を柔軟に使える働き方を模索したことも現在の形につながった。
設置先の店からは「忙しくて花の管理まで手が回らない」「花を枯らしてしまう」「花壇ではないが、期間限定で花があると雰囲気が良くなる」などの声も寄せられるという。北原さんは「個人店と無人花屋の相性は良いと感じている」と話す。
植物の生産については、気候変動の影響もあり、「ちゃんとした苗を作ることが難しい」と感じる場面も多いという。SNSを通じて知り合った農業関係者のもと元を訪ね、設備や育成方法を見学しながら試行錯誤を続けてきた。「自分に合う形で続けていきたい」と話す。
3年間で飯田下伊那地域のさまざまな場所へ出店し、出店先から別の場所を紹介されるなど活動の輪も広がっている。「飯田下伊那を全て回れるようにしたい」と意気込む。
今月は、「太陽堂」(飯田市南信濃)で6月18日まで、「麻績の里」(飯田市座光寺)で30日まで、それぞれ出店するほか、「うるぎHalo!-岡田屋」(売木村)で6月24日~7月1日に販売を行う。