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飯田・アップルキャブの乗合タクシー、全路線で脱炭素化達成

(左から)おひさま進歩エネルギーの管沼利和社長(左)、アップルキャブの鈴木佳史社長(中)、飯田まちづくり電力の原勉社長(右)

(左から)おひさま進歩エネルギーの管沼利和社長(左)、アップルキャブの鈴木佳史社長(中)、飯田まちづくり電力の原勉社長(右)

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 アップルキャブ(南信州広域タクシー)が運行する飯田市内の過疎地域を走る公共交通「乗合タクシー」の4路線が完全ゼロカーボンを達成したのを記念して、9月19日、調印・出発式が行われた。調印式には同社のほか、おひさま進歩エネルギー、飯田まちづくり電力が出席した。

導入したEV(日産リーフ)

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 飯田市ではバス路線が運行できない過疎地域の公共交通として、予約制の「乗合タクシー」10系統を8社の民間交通事業者に委託して運営している。そのうちアップルキャブに委託している3系統4路線「竜東線(千代線・久堅線)」「遠山郷高校通学支援線」「山本西部山麓線」がEV車両の導入などにより完全ゼロカーボンを達成した。

 アップルキャブは2013(平成25)年、本社車庫の屋根に自家消費型の太陽光発電を設置(おひさま進歩エネルギー)。事務所と一般EVタクシーで晴天昼間のゼロカーボンを達成。2022年にはEV2台を乗合タクシー竜東線への導入と飯田まちづくり電力の「南信州ゼロカーボン電気」(非化石化証書)供給を実施。再エネで作られた電気が持つ二酸化炭素(CO2)を排出しない環境価値の取引を行うことで、夜間・雨天時含めた24時間365日ゼロカーボン化を実現した。今回、残る2路線の車両にEV(日産リーフ)を導入し、今回の乗合タクシー完全ゼロカーボン化となった。

 EV車両は災害時などの非常時には給電車として活用するため、2022年に同社が可搬型外部給電装置1台を導入、「災害時に蓄電池として利用することで地域の皆様の安心度アップにも貢献できる」としている。

 アップルキャブの鈴木佳史社長は「地域の企業が同じ思いで協力してたどり着いた。全国への波及へ向けての大きな一歩。2050年のゼロカーボンに向け長野県や飯田市と協力して、さらにCO2を削減し、全ての公共交通の先導役になることを約束する」と力強く語った。

 おひさま進歩エネルギーの菅沼利和社長は「公共交通が自家発電で動くのは夢だった。これからも地域内で再生可能エネルギーを作って地域内で使っていきたい」と意気込む。

 まちづくり電力の原勉社長は「2022年に非化石証書の発行を始めた。ゼロカーボンを進めていく中で、民間の会社が公共施設に太陽光などを設置していくことで、地域の皆さまに、より身近に感じていただくことが重要」と話す。

 佐藤健飯田市長は「本格的にゼロカーボンが動き始めた東日本大震災より前から続けてきた取り組みで敬意を表したい。これからゼロカーボンの意識が地域に広がることに期待したい。市民の皆さんには、このような活動を応援してもらいたい」と話す。

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