内閣府の令和8年度コミュニティ防災教育推進事業の「防災フェス」が8月30日、飯田商工会館(飯田市常盤町)で開催された。主催は飯田市コミュニティ防災教育推進協議会。
ラジオ出演するエフエムながおかの佐野護さん(左)とFMピッカラの高橋裕美さん(右)
当日は飯田市地震防災訓練に合わせ、飯田エフエム放送による訓練放送やキッチンカーによる炊き出し訓練、防災講演会などを行った。
8時から、南海トラフ地震が発生した想定で訓練放送を実施。8時と8時30分に地震発生前の緊急地震速報から地震の啓発放送を流したほか、Xや同局のウェブサイトを災害時用の緊急ページに切り替えて情報を発信した。
11時からは小雨の降る中、同館駐車場で「長野キッチンカーネットワーク」が炊き出し訓練を行い、「からあげビリー」が唐揚げ、「リエルグ」が伊那谷ガレット、「妃の鮎(あゆ)」がトンコロサンド、「カーフクレープカフェ」が豚丼などを、それぞれ無料で提供した。会場では、自衛隊長野地方協力本部飯田出張所が災害派遣活動、同ネットワークが熊本での支援活動をパネルで紹介した。炊き出し訓練に訪れた原大和さんは「災害時は食べるものが偏るので、キッチンカーのこのような取り組みはありがたい」と話す。
午後の防災講演会では、飯田市危機管理部長の後藤武志さんが「飯田市防災アセスメント」を基に、市内20地区の災害リスクを解説。地震による建物倒壊や土砂災害、火災、天竜川の洪水などの分析結果を紹介した。災害時の情報収集について、後藤さんは「停電やバッテリー切れの場合はラジオが生きてくる。情報の入手手段は一つに頼らないこと」と呼びかけた。
パネルディスカッションでは、中越地震を経験したエフエムながおか放送局長の佐野護さんや、中越沖地震を経験した柏崎コミュニティ放送の高橋裕美さんらが登壇。佐野さんは、「災害だからと言って特別なことはやっていない」と話し、全国ニュースは被害の全体像を伝える一方、避難所や道路、給水、入浴、ガソリンなど生活に直結する情報を24時間体制で発信した経験を紹介した。高橋さんは「災害発生時はとにかく情報がなかった」と話し、リスナーに情報提供を呼びかけ情報発信をした経験を紹介した。停電や通信混雑時にも使えるラジオの役割を訴え、平時から行政や住民、企業、放送局同士が「顔の見える関係」を築くことの重要性を伝えた。
飯田エフエム放送の堀竜也局長は「飯田エフエム放送も停電時、被災時でもラジオがつながる状態にすることはもちろん、災害時には有益な情報で地域の被災者の命や心をつなげるような放送を心がけたい」と話す。