JR飯田線の伊那八幡駅が6月15日、旧駅舎の利用を終え、新駅舎の供用を始めた。
同駅は1926(大正15)年12月17日、飯田から延伸した伊那電気鉄道の終着駅として開業。1943(昭和18)年8月1日には同鉄道の国有化に伴い、鉄道省飯田線の駅となった。豊橋駅から辰野駅までを結ぶ飯田線では私鉄時代に建てられた駅舎が多く残る一方、近年は建て替えが進む。伊那八幡駅の旧駅舎は、ドイツ壁と幾何学模様の装飾が特徴の洋風木造建築で築100年を迎える。老朽化に伴い解体が決まっている。
当日は14時55分発の天竜峡・豊橋方面行き列車の発車後、駅舎の切り替え作業が行われた。新駅舎は奥行き2メートル、横幅5メートル、延べ床面積約10平方メートルの防火性能、耐震化に適したアルミ製ユニット。内部にはベンチ3台を設け、ガラス面には水神橋の花火をイメージしたイラストや、旧駅舎に施されていた幾何学模様のデザインをあしらった。
約10年間同駅を利用する小池久雄さんは「100年ですからね。歴史があるので寂しいが仕方ない」と話す。旧駅舎最後の利用者となった飯田高校1年の小島啓太郎さんは「今日で終わりとは初めて聞いた。駅舎の中が広く、友達と勉強した思い出がある」と惜しんだ。
旧駅舎は7月から解体作業に入る予定。