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阪大レゴ部、飯田の街並みをレゴで再現 「結いスクエア」にジオラマ展示

「レゴジオラマ」を製作中の学生たち

「レゴジオラマ」を製作中の学生たち

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 大阪大学レゴ部の学生が制作した、組み立てブロック玩具「レゴ」によるジオラマ作品が3月30日から、丘の上結いスクエア(飯田市東和町)に展示が始まった。

「レゴ作品」を紹介する竹村美和さんと吉田謙一さん

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 同市街地に広がる「りんご並木」や「さくら並木」、「飯田市立動物園」、「飯田駅」、「丘の上結いスクエア」などの景観を同大学生8人が、約5万個の「レゴ」を使い表現した。同市のシンボルとされる「風越山(かざこしやま)」を後方に配し、電車やバス、リニア中央新幹線も走らせ、行き交う人々なども再現し、幅3メートル、奥行き1,5メートルのジオラマ作品に仕上げた。

 同施設は、「ピアゴ飯田店」が2018(平成30)年に閉店し、後利用への期待が高まる中、2019(令和元)年に総合建設会社「吉川建設」が土地・建物を取得した。リノベーションを行い、一昨年の5月に「丘の上結いスクエア」として生まれ変わり、7月には同本社が同市松尾町から移転した。複数のテナントが入り、現在の利用者は1カ月に7,000人を数えるという。

 同社の吉川昌利社長が、県外の商業施設で見た「レゴ」作品に感銘を受け、「飯田の街並みを『レゴ』で作り、訪れる人に喜んでもらいたい」との思いで企画がスタートしたという。総指揮を担った同社建設役員の吉田謙一さんが、「レゴ社」から公認の同大レゴ部に依頼し、学生から快諾を受け計画が始まったという。

 吉田さんが、「飯田に暮らす人が知っている場所を、レゴで『かわいく』表現する」のコンセプトと、イメージをラフスケッチで学生に伝えたという。昨年7月に、学生たちが飯田を訪れ、街並みを眺め、製作用に写真撮影を行ったという。同大3年でレゴ部長の菅野直生(すがのなお)さんは、「りんご並木がかわいらしく、丁寧に手入れをされているのが印象に残った」と、飯田の印象を話す。

 設計から製作過程では、同社総務課長の竹村美和さんが学生と細部を詰めていったそうで、多い時には1カ月に100通を超えるメールで詳細を確認しあったという。学生たちはレゴ部の部室で製作を続け、3月25から27日の3日間に、展示会場での「組み上げ作業」が行われた。

 竹村さんは「まちを造りあげるように、建物ひとつずつのフォルムや色にこだわり、『レゴの見せ方』も今までの経験から細かく提案をしてくれた。丁寧に楽しく製作を続ける学生さんたちの姿が印象的」と学生たちのとの交流を振り返る。

 初日に飯田市から見に出かけてきた家族連れの母親は「小学生の子どもが、家でもレゴで遊ぶので、ここまで作る大変さが伝わってくる。見る角度によって新しい発見がある」と、感想を話す。

 菅野さんは「かわいらしくなるよう心がけた。建物などはデフォルメをしつつも、特徴をしっかりと残せるように気をつけました。全部をみてほしいし、強いて言うなら、地元の方々それぞれにとって思い出深い場所があれば、そこをじっくり見ていただきたい」と、作品へ込めた思いを話す。

 吉田さんは「なじみのある景色を、『レゴ』で凝縮してくれている。この場所を訪れる人の流れがより広がっていくといい」と作品を眺めなら話す。

 開場時間は9時~21時。

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