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「南信州環境メッセ」 2050年ゼロカーボン社会目指し理解深める

信州大学アクア・リジェネレーション機構の光触媒と太陽光によるグリーン水素発生パネルとアルクマ

信州大学アクア・リジェネレーション機構の光触媒と太陽光によるグリーン水素発生パネルとアルクマ

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 南信州地域のさまざまな企業・団体・学生の環境に対する取り組みなどを展示・発表するイベント「南信州環境メッセ2024」が11月23日・24日、エスバード(飯田市座光寺)を会場に行われた。22日には「環境産業見本市」も開催した。

「南信州環境メッセ2024」屋内ブースの様子

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 今年は、エス・バードを拠点に光触媒と太陽光によるグリーン水素の研究を行う信州大学アクア・リジェネレーション機構が初出展。同大学の宮原大地博士は23日に放送したラジオの公開放送で「飯田の皆さんに早くグリーン水素を使ってもらうため、来年度には小規模な実験を行い、大規模な光触媒のプラントをエス・バードで作っていく。水にまつわるさまざまな課題解決をしていきたい」と話した。

 そのほか屋内外60の団体が参加し、それぞれ特色のある取り組みをアピール。水素自動車、災害時の水循環システム、雨水タンク、ウルトラファインバブル、水力発電など水素、水に関する展示や太陽光発電、生ごみ処理機、LED照明など生活に密着した展示、飯田OIDE長姫高校原動機部の競技用車両のデモ走行やEV車の試乗などを行った。会場は多くの家族連れでにぎわい、2日間を通じて約1500人が来場した。

 23日は「ゼロカーボンミーティングin南信州」と題して基調講演やパネルディスカッションなどを行い、基調講演では「地域から大きな一歩を~気候危機の今~」と題し、一般社団法人「Climate Integrate」代表理事の平田仁子さんが講演。厳しい気候変動の現状を説明し、2050年ゼロカーボンへ向けての課題を投げかけた。パネルディスカッションでは、平田さんほか、地元で実際に行動を起こしている企業団体で飯伊森林組合、リックス、ディーエルディーの取り組み事例を紹介した。

 24日は長年開催する「自然環境保全ポスター」の表彰式を行った。作品は環境学習に取り組む飯田市内の小学4年生の約9割に当たる704点の応募があり、市長賞には三穂小学校の平田雪乃さんが選ばれた。マイボトルをテーマに「ゴミを減らして海を守ろう!」と訴えるポスターを描いた平田さんは「ペットボトルが川や海に流されているのを見たのがきっかけ。いつもマイボトルを使っている」と話した。

 エシカルシンポジウムでは、地元のさまざまな地産地消の取り組みを紹介。環境文化都市づくりのプラットフォームの「うごくる。」は「2050カーボンニュートラルカードゲーム体験会」を行い、14人の参加者が真剣にゼロカーボン社会へ向けたシミュレーションゲームに取り組んだ。ゲームの結果がゼロカーボンには至らなかった中、参加者は「自分の企業だけのことではなく、周りの企業とのバランスを取るのが難しい」「もっとうまくできたのでは」「CO2排出は抑えられたが景気がよくないなど飯田市の状況に似ている。環境対策をしながら経済対策をどうするかが課題」と、それぞれ振り返った。

 実行委員会の中島武津雄委員長は「多くの人に来場してもらい感謝している。環境産業見本市も22日に行われ100人を超える人が訪れ企業とのマッチングを行った。いろいろな反省を踏まえ次の環境メッセにつなげていきたい」と前を見据える。

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