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喬木村産「スピカの小麦粉」を学校給食に コンクールで最高賞

喬木村産の「スピカの小麦粉」を使い「学校給食コンクール」の最優秀賞に輝いた給食メニュー

喬木村産の「スピカの小麦粉」を使い「学校給食コンクール」の最優秀賞に輝いた給食メニュー

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 喬木村学校共同調理場(喬木村阿島)が11月17日、公益財団法人長野県学校給食会が主催する「学校給食に長野県産物を活用した献立コンクール」の課題献立の部で最優秀賞に輝いた。

最優秀賞を受賞した喬木村学校共同調理場のみなさん

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 県産食材の活用、郷土食文化への理解や、食育の推進などを目的に、学校給食関係者を対象に開催された同コンクール。自由献立と課題献立の2部門があり、10月中旬に行われた書類による1次審査には、2部門合わせて113団体の応募があった。課題献立の部で1次審査を通過したわずか3団体の1つに選ばれた同調理場は、11月17日に開催された2次審査へと進み最高賞を受賞した。

 受賞したメニューは、喬木第一小学校、喬木第二小学校と喬木中学校の給食550食ほどを日々提供する同調理場の学校栄養士や調理員で相談し考えたという。内容は、「喬木産小麦のパン」「くりん豚(とん)とごろごろ野菜のポトフ」「ごぼーるのピザ焼き」「大豆フレンチサラダ」「牛乳」。9月に給食で提供した際、同中生徒から「喬木産小麦のパンがおいしかった」、同第一小児童から「おいしかったので、また作ってほしい」などの感想も寄せられたという。

 同村産小麦は、遊休農地を利活用し、「JAみなみ信州女性部フレッシュミズ」の「Spica(スピカ)」のメンバーが2013(平成25)年から栽培する。農業に携わる20~40代の女性グループで、農協職員からの「遊休農地の利活用」の提案があり、「小麦を栽培して、いつの日かパンを作ることができたら」とのメンバーたちの思いからスタートした取り組み。現在は、帰牛原地区に13アールの小麦畑を管理し、今年は品種「ハナマンテン」を栽培し収穫した。製粉し「強力粉」「全粒粉」「ふすま粉」の3種類を、「A・コープ たかぎ店」(阿島)などで販売する。

 同調理場の学校栄養職員の山本彗美(えみ)さんは「家で『スピカの小麦粉』を使い、パンやクッキー、うどんなどを作っている。小麦の風味が強くおいしいと感じる。『自慢できる地元食材を学校給食に提供できたら』と、仲間と話していた」と、メニューのレシピ開発からを振り返る。

 同調理場学校栄養教諭の桐生慶子さんは「長野県産の米に合わせた和食メニューが多い中、パンに合わせた洋食メニューは少ないので、パンを軸にしたメニューを進めた」と話す。毎週、学校給食へパンを提供する「ゆめのや」(飯田市今宮町)に、「スピカの小麦粉」でのパンレシピを依頼した。7月終わりから試作を繰り返し、強力粉とふすま粉の配合を整え、さまざまな形を試し、100%「スピカの小麦粉」を使う風味豊かなパンが完成した。

 2次審査で中心になって調理を担った、同調理場の調理員、平沢優名さんは「通常の調理場と勝手が違うので緊張もあったが、いつも通りの料理を提供することができた。職場の皆の協力で賞を頂けたことがとてもうれしい」と、日々の調理場の様子も振り返る。スピカの立ち上げからのメンバーでもある牧内恵さんは「受賞を聞いて、『スピカの小麦粉』も褒められた気持ちになり光栄」と話す。

 桐生さんは「毎日、当たり前と思われる給食が表彰され、認めてもらったように感じる。地域の農業の活性化に少しでもつながることがあれば」と話す。今後、「スピカの小麦粉」のパンの給食での提供も予定するという。

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