飯田市在住の加藤栄優さんが高森町のハウスで育ててきた「ドワーフナムワバナナ」の株を10月1日、南箕輪村でサツマイモを栽培する中村一生さんに株分けした。
加藤さんは数年前、「国内で流通するバナナの多くが輸入品なら、自分で国産バナナを育てて食べてみたい」と農薬を使わず、皮まで食べられるバナナを目指し栽培を始めた。当初は飯田市川路の露地で育て、冬には幹に緩衝材を巻くなどしたが越冬できなかった。その後、知人から高森町の畑を借り、ハウス内で栽培。現在は約20株を育てている。花が咲き、2センチほどの実が付いたことはあるものの、十分な大きさには育っていないという。
借りていた土地を返すことになり、加藤さんが株の譲渡先を募ったところ、飯田下伊那を中心に県内各地のほか、北関東や遠くは福岡県からも問い合わせがあり、実際に株を引き取りに訪れた人もいる。
中村さんは約5年間の会社員生活後、ワーキングホリデーを利用した海外での生活を経験し故郷へ戻った。祖父からサツマイモ栽培を任され、家族が営む料理店も手伝う。今シーズンは約1万本のサツマイモの苗を植えて育てており、加工・販売に向けた準備も進めている。
中村さんはこの日、南箕輪村から車で1時間ほどかけて高森町を訪れ、高さ約3メートルまで育った株を見ながら、水や肥料、冬場の管理などを加藤さんから教わった。親株から育った子株1本と、さらにそこから出た小さな株3〜4本を掘り起こし譲り受けた。中村さんは「バナナもいつか育ててみたいと思っていた。良い機会だと思い連絡した。サツマイモの苗を育てていたハウスがあるので、そこに植えたい」と話す。
加藤さんは現在、落花生や枝豆、大根、ジャガイモ、ゴボウなども栽培し、今後はオリーブを育ててオリーブオイル作りにも挑戦したいという。「サツマイモを育てている中村さんなら安心して託せる。頑張ってバナナを実らせてほしい。地域で育てたものが地域の実りにつながっていくことが大切」と期待を寄せる。