綿半ホールディングス(飯田市北方)が6月1日、観光事業を担う新会社「綿半リゾート」を設立し、「昼神温泉 ユルイの宿 恵山」(阿智村智里)の事業を取得したと発表した。併せて、天龍峡温泉の宿泊施設「秘境のおやど 龍峡亭」(飯田市龍江)の全株式も取得しており、南信州の観光事業へ本格参入する。
同社によると、「ユルイの宿 恵山」を運営していたホテル恵山から、会社分割により事業を承継した。新会社「綿半リゾート」は6月1日付けで設立し、本社を同宿所在地に置く。資本金は1,000万円で、綿半ホールディングスが100%出資する。
一方、「龍峡亭」は5月1日付けで全株式を取得した。同施設は現在休館しており、今後、施設改修や運営体制の整備を進め、2027年春の営業再開を目指す。全客室から天竜川を望める立地や天然ラドンを含む大浴場が特徴で、会席料理や周辺観光との連携による宿泊体験を提供してきた。
綿半グループは飯田市創業。取得理由について、近年の観光市場の変動を背景に、地域観光基盤の維持・強化や事業継続への支援が必要な状況があると説明。「ユルイの宿 恵山」は昼神温泉の資源を生かした温泉や地元食材を使った食事、日本一の星空と称される地域資源を生かした観光プログラムに取り組んでいるという。
阿智昼神観光局の白澤裕次社長は「事業承継に悩む旅館が多い中、地域活性化のために外資ではなく地元の老舗企業が参画してくれるのはありがたい」。天龍峡で複合拠点「HIGASA」を営む渡辺捷揮さんは「地域にとって大事な旅館で、歴史もありシンボル的な存在だったので復活のニュースはありがたい」と、それぞれ話す。
同社は今後、リニア中央新幹線開業やインバウンド需要拡大による交流人口増加も見据え、地域事業者や自治体と連携しながら観光基盤の維持・強化に取り組む方針。「南信州の自然、温泉、食文化などを生かし、地域活性化や地方創生につなげる」としている。