陶芸、銅版画、七宝作品を集めた3人の作品展が5月19日、飯田の和菓子店「信陽堂」(飯田市羽場赤坂)で始まった。企画したのは、長年にわたり絵画や工芸作品を収集してきた美術愛好家の吉川哲夫さん。
展示するのは、下條村の窯元「桑土窯」で制作する陶芸家・廣瀬哲美さん、辰野町在住の銅版画家・京野早苗さん、飯田市出身で茨城県取手市在住の七宝作家・小池昌子さん。ジャンルも活動地域も異なる3人の作品を並べる。
吉川さんは、作家の地域や作品ジャンルにとらわれず、自身が心を動かされた作品を収集してきた。中でも、飯田市下久堅出身の日本画家・滝沢具幸さんの作品を特に大切にしているという。
「最初は何を訴えたいのか分からなかった」と振り返る吉川さん。「でも時間がたつうちに、原野や湖、沼などの表現が少しずつ分かるようになった。自分が作品に慣れてきたのかもしれない。穏やかですてきな人柄の作家。地元出身の作家を大切にしてもらいたい」と、美術作品に込められた思いと共に作家への敬意を話す。
長年、作品を見続けながら、気になった作家の元へ足を運び交流も重ねてきた吉川さん。今回の作品展も、これまで出会ってきた作家たちの魅力を地域の人に伝えたいという思いから企画した。
今回出展する小池さんは、同級生から紹介を受けて知ったという。「七宝焼きというとブローチやアクセサリーなどを思い浮かべる人も多いが、小池さんは平皿や絵画のような平面作品も制作する」。以前、天龍村郷土美術館へ小池さんの作品を寄贈したこともある吉川さんは「七宝というと装飾品のイメージが強いが、こんな表現もあることを知ってほしい」と話す。
廣瀬さんの作品については、「素朴で、色も良く、形も美しい」と吉川さん。器やコーヒーカップなどの日常使いの器のほか、花器やひな人形などのオブジェも展示する。「小品だけではなく、自身の表現を深めようとしている。応援したい作家」とエールを送る。
京野さんは、同市内の銅版画家を通じて紹介を受けたという。「大作を出してくれて、会場の雰囲気がグッと良くなった。銅版画ならではの世界観を楽しんでほしい」と吉川さん。
吉川さんは「作品展をしようと思った時、時々お菓子を食べに来ていた信陽堂を思い出した」と話す。「作品を眺めながら、お菓子も楽しんでもらえたら。気軽に立ち寄ってほしい」と来店を呼びかける。
開催時間は10時~17時(最終日は正午まで)。入場無料。5月31日まで。