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飯田のタクシー会社、「電話でお金詐欺」被害未然防止で飯田署が感謝状

乗務員の市瀬哲也さん(左)鈴木佳史社長(中)笠原敏克署長(右)

乗務員の市瀬哲也さん(左)鈴木佳史社長(中)笠原敏克署長(右)

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 飯田警察署が11月12日、架空料金請求詐欺の被害を未然に防止した南信州広域タクシー(飯田市上殿岡)に署長感謝状を贈った。

表彰式の様子

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 10月15日の17時過ぎ、同社がタクシーの配送依頼を受け、飯田市内居住の90歳代の女性を乗せたところ、運転手の市瀬哲也さんが女性客との会話の中で異変に気付き、警察に通報して被害を未然に防止した。

 市瀬さんはその時の様子を、「女性は通信事業者と2時間くらい電話をしていたようだった。インターネットを5年前にやめたと言うが、未納料金が9万9,000円あるのでATMですぐに振り込むよう言われた」と女性とのやりとりを話す。「どこへ行きますか」との問いに、金融機関に行きたい様子だったので、架空料金請求詐欺を疑ったという。女性も何かおかしいと思っていたようで、その場で女性を説得し警察に通報したという。

 市瀬さんは「被害がなかったのが何より。人のためになったのは良かった」と振り返る。飯田警察署は2015(平成27)年11月、長野県タクシー協会飯伊支部(11社)と特殊詐欺被害撲滅に関する協定を結んでおり、接客時に異変を感じたら通報するよう促している。同社はこれまでも特殊詐欺の防止で数回の表彰を受けた。

 同署笠原敏克署長は「乗客とのコミュニケーションの中で、異常を感じ取って警察に直接つないでいただいたことで詐欺防止につながった。乗務員のファインプレー」と感謝の言葉を伝えた。

 同社の鈴木佳史社長は「特殊詐欺防止のマニュアルはないが、運送業としてではなく、サービス業として乗客とのコミュニケーションを行うよう乗務員には伝えている」と話す。「乗客に年配者が多い地域なので、今後もこのような事案は発生する可能性がある。地域ぐるみで特殊詐欺を減らすことが大事」と意気込む。

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