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老舗旅館・龍峡亭が「お座敷天ぷら」 コイや山菜を客間で揚げて提供

龍峡亭からの眺めを紹介する北原妙子さん

龍峡亭からの眺めを紹介する北原妙子さん

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 天龍峡の老舗旅館「龍峡亭」(飯田市龍江)が4月15日、「お座敷天ぷら」を始めた。

渓谷を眺めながら料理をたのしむ

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 客間の一角にある調理場で揚げた天ぷらを提供する「お座敷天ぷら」を今年1月に試験的に提供したところ、「揚げたてを食べられる」との反響が多くあったことから今回、期間限定で始めた。

 料理は、前菜や造り、蒸し物などの会席料理で、メインに天ぷらを用意する。食事のペースに合わせ、天ぷらを3回に分けて揚げたてを提供する。始めは、ハモのように骨切りしたコイの身と白子の天ぷら、「海老(えび)の変わり揚げ」「スッポン真薯(しんじょ)レンコン挟み揚げ」など。

 2度目は、同市川路の「天龍黒豚」の角煮の天ぷら、最後は、キウイやリンゴ、イチゴなどの季節のフルーツの天ぷらを用意する。それぞれに、タラの芽やウドなど、季節の山菜3、4品を添える。ご飯には温泉卵の天ぷらをのせ、だしをかけて提供する。

 同館は先代の鈴木五六(ごろく)さんが創業し、どの客室からも天竜川の渓谷を眺められる造りになっている。創業当時から作りたての料理提供にこだわり、客間の換気などにも配慮しているという。客間調理場の火力を上げるためコンロを入れ替え、「お座敷天ぷら」に対応している。

 北原妙子社長は「揚げたての天ぷらを食べていただくことが課題で、天ぷらをメニューから外した時もあった。料理長は天ぷらを得意とするので、天ぷらをベストの状態で提供する。渓谷の眺めと併せて楽しんでいただければ」と話す。

 料理長の矢田貴裕さんは「お客さまから、『天ぷらを揚げる音が心地いい』と声をかけていただいたり、帰り際に手で『グッド』の合図を出してくださったり、天ぷらを召し上がる方の姿や声を感じられるのは大変うれしい。先代の希望を受け継いで料理を提供する」と意気込みを見せる。

 県外から訪れた女性は「天ぷらは今まで食べたことのないものばかり。この食材も天ぷらにと驚きとおいしさがある」、別の女性は「旅館で揚げたてが食べられてうれしい」と感想を話す。北原さんは「天ぷらは揚げたてが当たり前。その当たり前がやっとお出しできる。天龍峡の旬の食材や、名物のコイを、ぜひ召し上がってほしい」と来館を呼びかける。

「お座敷天ぷら」は今後、5月は5日と15日に、6、7月は週末2日間を中心に月に8回ほどを予定する。食事のみの料金は7,700円(宿泊とのセットは1万8,000円)

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