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飯田・川本喜八郎人形美術館 「三国志」の場面を人形で再現

川本喜八郎人形美術館を紹介するスタッフの清水恵さん

川本喜八郎人形美術館を紹介するスタッフの清水恵さん

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 川本喜八郎人形美術館(飯田市本町)で現在、第30回常設展示「人形劇『三国志』三国鼎立から秋風五丈原」が開催されている。

五丈原のクライマックスを「魏蜀攻防」と題して展示

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 東京出身で人形美術家の川本喜八郎さんから人形作品214体の寄贈を受け、展示と所蔵を行う同館。2007(平成19)年から館長を務めた川本さんが掲げた「三国志の時代ごとの5つのテーマ」で展示を行ってきた。今回は同館スタッフが企画し、「三国志の一場面を作る」イメージで展示する。

 展示会場の入り口には、三国志でライバルと言える劉備(りゅうび)と曹操(そうそう)が、今までの展示で身に着けていたよろいではなく、王様が着るとされる王衣(おうい)を身に着け、一つの展示ケースに収められている。同館スタッフの清水恵(めぐみ)さんは「ライバル同士を一緒のガラスケースへ収めての展示は初めて。戦いから離れた様子として楽しんでほしい」と紹介する。

 メインの展示ケースでは、人形劇「三国志」終盤の5度に及ぶ攻防戦「北伐(ほくばつ)」の場面に登場したキャラクター13体を、五丈原のクライマックス「魏蜀攻防」と題して展示する。羽織を身に着けた蜀(しょく)の諸葛亮孔明(しょかつりょうこうめい)と、魏(ぎ)の司馬懿仲達(しばいちゅうたつ)を中央に、背後には次世代の子どもたちと、手前には刀を抜く、構えるなどの戦いの場面の家来たちが並ぶ。

 高さ約60センチ、重さ3キロほどの人形は「人形劇に特化し、動かすことを前提とし作られた人形。身に着けるよろいも厚めの和紙を材料としている」と清水さんは紹介する。キャラクターの個性を、「策略を練る」「敵をにらみつける」など目の動きで表現しているという。

 会場後半の常設展示「平家物語」では、「戦乱の世を生きた女性キャラクター」を中心として展示を行う。同市では川本さんの生誕地である東京都渋谷区と昨年、「人形交流」を始め、渋谷ヒカリエの「川本喜八郎人形ギャラリー」から平家物語の人形7体を借り、今回初めて展示する。

 「30回を数える節目の展示。これまでに展示した人形もあるが、今回は初めての試みがあるので、今までとは違う雰囲気を楽しんでいただきたい」と来館を呼びかける。

 開館時間は9時30分~18時30分。入館料は、一般=400円、小中高生=200円。水曜休館。12月24日まで。

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