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飯田・鼎に大正浪漫漂う書店「ひなみ文庫」 大正時代の造り酒屋改修

ひなみ文庫店主の久保田奈美さん

ひなみ文庫店主の久保田奈美さん

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 飯田・鼎に書店「ひなみ文庫」(飯田市鼎、TEL 0265-49-4560)がオープンして10月19日で1カ月を迎えた。

鼎「ひなみ文庫」外観

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 地元で新聞記者を務め現在はライターとして活動する店主の久保田奈美さんが10年ほど前から集めた蔵書などを提供する。大学で美術史を専攻した久保田さんの選んだ本は、美術や旅、海外の文学や料理などの全集や雑誌・小説・エッセーなど700冊ほど。久保田さんが選ぶ新書も並び、久保田さんは「読んで楽しめ、表紙や内容のデザインを眺めるだけでも楽しめる詩歌なども選んだ」と話す。

 店舗は、久保田さんの曽祖父が1912(大正元)年に始めた造り酒屋の木造2階の建物で、久保田さんも幼少のころまで家族と暮らし、酒屋の移転に伴い1989(平成元)年から空き家となっていた。10年ほど前に雑誌の本屋特集を読み、建物を生かすことを考え書店へと改修した。漆喰(しっくい)の壁を塗り直し、大正時代のガラス扉の一部を入り口に合わせ、柱などは当時のまま使い、大正時代の酒屋の雰囲気が残ることを大切にした。 

 補修した自宅の棚や酒だるのふたなどを、本棚やテーブルとして店内の調度品とし、酒屋で使った量り売りの瓶や薬品棚もインテリアとして並ぶ。土間のテーブル席や、板間のギャラリースペースやじゅうたんにソファを置く部屋など、本を選び読む空間を演出する。

 本をゆっくり選んでほしいと、コーヒーや自家製コーラなども提供。今月からは月替わりのおやつも提供する。会社帰りにも寄りたいという声を受け、初めて夜の営業も行った。今後、おやつは週末の提供を予定し、夜の営業も不定期ながら行っていくという。久保田さんは「本を読む楽しさを気軽に感じていただけば」と話す。

 営業時間は水曜・木曜の12時~18時。土曜・日曜・祝日は不定期営業。

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