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飯田市街地の「りんご並木」 地元の小中生と住民が連携して収穫作業

中学生に習いながらリンゴを収穫する小学生

中学生に習いながらリンゴを収穫する小学生

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 飯田東中学校(飯田市高羽町)の全校生徒と小学生などが10月8日、「りんご並木」のリンゴの収穫作業を行った

収穫したリンゴを手に「楽しかった」と感想を話す小学生

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 「りんご並木」は1947(昭和22)年、市街地の約4分の3を消失した「飯田大火」の後、1953(昭和28)年に同校の生徒が防火帯の道路の中央にリンゴの木を植樹したことに始まり、現在に至るまで地元住民とも協力しながら世話や手入れを続けている。同市街地の大通りに約450メートルにわたり、26本のリンゴの木が植えられている。

 当日は、全校生徒196人と、地元の追手町小学校(追手町)、浜井場小学校(小伝馬町)、丸山小学校(今宮町)の児童100人ほどと地域住民10人ほどが並木サポーターとして、収穫作業に取り組んだ。東中の並木委員がリンゴの収穫方法を説明し作業へと移った。生徒数人に児童1人のグループとし、グループごとに生徒が児童へ声をかけ、見守りながら収穫作業を進めた。

 初めてリンゴを収穫したという追手町小学校の女子児童は「赤い色の実を選んで収穫した。教えてもらったように、実をくるくる回し、実の下側から上にポンと持ち上げるときれいに採れて楽しかった」とリンゴの実を眺めながら話す。児童たちは、1人1個ずつ土産として家庭に持ち帰った。

 いいだ城下町サポーターを務め、観光客などに「りんご並木」などを紹介している久保田義秀さんは「全国へ誇る『りんご並木』の魅力は、子どもたちがやっているということ。これだけ長く続けてきている、簡単にできることではない」と話す。

 橋南まちづくり委員会副会長を務め、東中学校卒業生の木下さんは「中学生の頃は土曜が半日授業で、午後からリヤカーに道具を積んで来て、自分たちで作業に取り組み楽しかった。当時は全校生徒が700人以上いたが、生徒数が減った今は大変だろうから作業へ参加している。中学生に紛れて作業をして、一体感や懐かしさがあった」と話す。

 追手町小学校の曽我佳伸校長は「小中連携がとても進んでいる。生徒が登校前に小学校へ立ち寄り、リンゴ並木や文化祭など関わりのあることの連絡を児童へ直接伝えてくれる。生徒たちは企画力と表現力があり、児童たちの力の向上となる手本になっている」と、児童生徒の姿を見つめながら紹介する。

 収穫と選別、剪定(せんてい)作業を行った。この日、シナノゴールド、陽光、シナノホッペ、シナノスイート、新世界の5種類の9本から、約6,700個を収穫し、日頃から世話になっている地域住民へ寄贈する。

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