飯田市千代(当時の千代村)出身の古生物学者・長谷川善和博士の化石コレクション寄贈を記念した企画展「古生物学の系譜-鹿間時夫と長谷川善和-」が7月11日、飯田市美術博物館(飯田市追手町)で始まった。
哺乳類化石を中心に、化石や現生動物骨格の標本、研究ノート、調査写真などを展示する
同館へ寄贈された「長谷川善和コレクション」は、化石や現生動物骨格など5690点で構成。長谷川博士が師と仰いだ地質・古生物学者の鹿間時夫博士から受け継いだ標本も含め、約100年にわたって収集された標本群を30年かけて整理した後、同館へ寄贈された。
会場では、哺乳類化石を中心に、化石や現生動物骨格の標本、研究ノート、調査写真などを展示。鹿間博士と長谷川博士が積み重ねてきた研究の歩みをたどるとともに、標本が研究を支え、未来へ受け継がれていく大切さを紹介する。
終戦後の1947(昭和22)年、旧制飯田中学校に赴任した鹿間博士は約3年間教壇に立ち、長谷川博士はこのとき鹿間博士に出会い、古生物学の研究へ進むきっかけとなった。長谷川博士は研究者として国内外で活躍、国立科学博物館の地学研究部主任研究官や群馬県立自然史博物館の館長や群馬県立自然史博物館名誉館長を歴任し、同館顧問も務める。
同館学芸員の川谷文子さんは「鹿間先生は飯田で教壇に立っていた当時、多くの学生に大きな影響を与え、その中から長谷川先生をはじめ、日本の古生物学を発展させる研究者が育った。今回の展示では長谷川先生と鹿島先生の研究に焦点を当てているが、こうした研究や普及活動は貴重な標本が残されていたからこそ成り立ったもの。地域の皆さんにも標本の価値を知ってもらい、未来へ受け継ぐ意義を感じてもらえれば」と話す。
会期中、7月25日13時ら自然講演会「古生物学は未来へつづく-長谷川善和先生と私たち-」、8月29日13時から自然講座「至宝の古生物標本群、長谷川善和コレクションを解く」を、それぞれ開く。
開館時間は9時30分~17時。観覧料は一般310円、高校生以下無料。月曜(祝日の場合は翌日)と祝日の翌日、8月25日~28日は休館。10月4日まで。