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阿南高校生、米粉パンで地域課題解決へ挑戦

阿南産米「あなんの誉」を製粉し米粉にする作業

阿南産米「あなんの誉」を製粉し米粉にする作業

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 阿南高校(阿南町北條)の生徒が阿南産米を製粉した米粉を使った「米粉パン」が12月19日、同町内の小中学校の給食に提供された。

2024年12月19日に阿南町内で提供された給食

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 今年の春、同校内で調理活動への関心が高まったことから同町議会議員で同校卒業生の小澤亮子さんの提案で、「阿南町産の米を原料とした米粉で料理を作る」というアイデアが生まれた。同町ではふるさと納税制度を通じて米の支援を行っているが、寄付金額の減少が課題となり、余剰米の有効活用が求められていた。

 今回のプロジェクトは、2年生有志6人が課外活動「コメッコクラブ」としてスタートした。廣田健人さんは「町内の遊休地を再活用して稲作が行われていること、10,000円の納税で20キロの阿南産米『あなんの誉(ほまれ)』を返納していたのが、法律の変更で12キロに変わったことなど、阿南産米のことを学んだ」と学習を振り返る。

 人口減少や農地活用の課題に直面する同町において、余剰米を活用する新たな方法として、町内外の協力を得ながら進められたプロジェクト。生徒達は10月中旬から4回にわたり、「信州アトム」の佐々木さんの指導の下、玄米を粉砕し、ふるいにかけて製粉する作業を行った。完成した米粉は合計9キログラムに上った。

 生徒たちは同校卒業生でパン工房「ゆめのや」(飯田市今宮町)の後藤聡さんへ取材した。飯田下伊那の小中学校や保育園に給食パンを届けている同店は、同町内の給食パンも請け負っている。宮澤妃佳李(ひかり)さんは「米粉は小麦粉よりパン作りが難しいことを習った。米粉パンは、小麦と米粉をブレンドして作ることなども教わった」と、見学の様子を振り返る。

 12月19日には、阿南第一中学校(東條)や阿南第二中学校(新野)の他、同町内の小学校へ今回の米粉パンの給食提供を行った。宮澤朱佳李(あかり)さんは「調理活動をしたかったが、形になるのか不安だった。町の方などに製粉などを習いながら町について知ることができ、小澤さんからの話で、食べるものを育てる大変さを改めて感じることができた」と、春からの活動を振り返る。

 今後、生徒たちは米粉を使った新たなレシピ開発や、米粉の特性を活かした調理法の研究を進める予定。藤本寧々さんは「阿南の米粉を使って、パン以外の料理に挑戦してみたい。どんなことが出来るか、みんなで相談したい」と意欲を見せる。

 生徒たちは、「町の課題解決に自分たちも関わりたい」と意気込みを語る。地元産業の活性化を目指した挑戦は、今後も地域と連携して継続される見通しだ。

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