阿智村と南信州広域タクシーが5月2日、「次世代自動車(電気自動車)導入促進のためのインフラ施設提供に関する協定」を同社伊賀良営業所(飯田市北方)で締結した。
同協定は、「公用車(EV自動車)および災害時協力登録者制度に登録の自家用車両(EV自動車)の伊賀良営業所設置の急速充電器による24時間365日、無償給電サービス」「災害時等におけるライフラインの寸断時に本社営業所及び阿智営業所の太陽光発電による普通充電設備の無償開放」「EVタクシー車両、可搬式V2VによるEV電欠時駆け付けサービス」「EVタクシー、給電タクシーによる災害時の電気の供給」の4点。
自家用車保有台数率や通勤時の自家用車使用率が全国でも上位の同村では昨年10月にEV車1台を導入。車両価格が割高であることや給電設備や電欠対応の不安さからEV化は進まないのが現状。熊谷秀樹村長は「まだEV車は長距離移動時に充電に対する不安がある」と話す。
そうした不安の一つを解消するため同社は、中央自動車道の飯田インターに近いことから伊賀良営業所に急速充電器(50キロワット)を新設。電欠対応用に可搬式のV2Vも導入し、24時間365日、給電サービス、電欠駆け付けサービス等を提供することで電気自動車普及の後押しができるという。
鈴木佳史社長は「公共交通事業者として運輸部門のCo2削減は大きな課題。自助・共助・公助で企業や自治体と協力し、長野県が掲げる2050年のゼロカーボン戦略へ向け協力し、一歩でもEV化に近づくような協定を結んでいきたい」と話す。
今回の協定は南信州広域タクシーからの提案で実現。阿智村の災害時対応関連協定は40件目。熊谷村長は「電気自動車を導入してもEVスタンドが普及しないと困ることが分かった。観光客が多い村としても意識していきたいし、環境面でも星空の見える村として意識しながら普及を進めていく」と話す。