南信州・飯田の焼き肉文化を全国に広めることを目的に「飯田焼肉弁当」を販売するキッチンカー「結(むすび)」が来年1月、稼働を始める。マルマン(飯田市)、信州セキュアフーズ(松本市)、かまや商事(柏市)が11月29日、発表した。
リニア中央新幹線の長野県駅開通を見据え、2015(平成27)年ごろから、飯田市を中心に有志団体などが、飯田の焼き肉文化を地域内外に発信する活動に取り組んできた。
次のステップとして、県外での認知度を高める目的で2020年、「飯田焼肉の日」を制定。2021年に「世界一長い鉄板の世界記録=11.29メートル」に挑戦し、ギネス記録に認定。昨年は、食肉・加工品販売の信州セキュアフーズが「信州飯田焼肉研究所」(中央通り3)を設立するなど積極的にPR活動を展開。今年から、東京都内を中心にキッチンカーで「飯田焼肉弁当」の販売を行い、県外での認知度向上をさらに加速させる。
飯田焼き肉キッチンカー「結」には、同市の語源とされる「みんなで田畑作業を行う=結いの田」からヒントを得て、「人と人の結びつき、人と食の結びつき、食と地域の結びつきを大切にし、手を取り合い、育て合い、助け合い、地域を元気にしたい」という思いを込める。
メニューは、豚かしら焼肉弁当の「風(かぜ)」(1,000円)、飯田焼肉弁当の「結(むすび)」(1,250円)、牛サガリ焼肉弁当の「越(えつ)」(1,500円)の3種類。「飯田焼肉」を象徴する肉「マトン・かしら・さがり・黒モツ」を使用。種類によって肉の組み合わせが異なる。
タレは、同市出身のタレントで、飯田焼肉大使のニッチローさんが監修した「たれだら」を使用。メニュー名は同市のシンボル「風越山(かざこしやま)」から引用。キッチンカーの調理鉄板は、2021年に世界記録認定された鉄板を製造した戸崎鉄工所(鼎)に依頼した。
記者発表後に、関係者らが飯田焼肉弁当「結」を試食したニッチローさんは「飯田の焼き肉をしっかり感じることができる。全国、世界に向けアピールしたい」と意気込む。マルマン取締役の中田泰雄さんは「日本の中心と言われる東京で飯田焼き肉の認知度が向上することを期待したい」と話す。
飯田焼肉キッチンカー「結」は来年1月以降、都内の銀座や丸の内、大手町、汐留・有明エリアを中心に稼働するほか、イベントやフェスなどでのブース出店も予定する。