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焼き肉の街飯田で「焼き肉文化を学ぶ」講座 自家製タレで出前焼き肉も

鉄板とガスコンロで行う出前焼き肉、飯田ではおなじみの風景

鉄板とガスコンロで行う出前焼き肉、飯田ではおなじみの風景

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 文化講座「焼き肉文化を知ってタレを作って焼き肉大会」が6月25日、東野自治会館(飯田市鈴加町)で行われた。

土屋さんが作ったたれをベースに、参加者がアレンジを加える

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 飯田市は人口1万人当たりの焼き肉店舗数が日本一の「焼き肉の街」として知られ、各町内の慰労会などの場でも焼き肉を食べる機会が多い。東野公民館の文化部が市内の焼き肉店や飯田焼肉研究所、阿智村の南信州牛の生産者を訪れるなどして事前取材を重ね、今回の講座を開いた。

 内容は飯田の焼き肉文化をクイズ形式で学ぶ参加型の講座で、「飯田市内の焼き肉店とコンビニ多いのはどっち?」「鉄板を囲んで大人数で焼き肉をした記録は、どこの公民館の地区で行われたか?」など合計30問のクイズと共に、取材で得た豆知識を披露した。

 肉の生産者を訪ねた文化部の土屋美紀さんは、直面する生産者の厳しい現状や思いを聞いた話を披露。講座の最後に「ぜひ、地元の南信州牛を食べましょう」と呼びかけた。

 焼き肉のたれ作りでは、土屋さんが焼き肉店を営んでいた曽祖母のタレのレシピを、親戚などから情報をかき集め再現した。土屋さんが「手間暇かけ1週間寝かせた」というタレをベースに、18人の参加者がネギダレ、おろしニンニク、タマネギペースト、トマトペースト、コチュジャン、ゴマ、みそ、酢などをアレンジして独自のたれを作った。

 講座の最後に行った「出前焼き肉」は、昭和50年代ごろから飯田の「丸三精肉店」が始めたといわれ、大人数で焼き肉希望する客から「お肉を買うからガスコンロと鉄板を貸してほしい」と言われたのがきっかけで始まったといわれる。マトンや豚ロース、サガリ、黒モツなど飯田独特の肉を焼き、自作のタレの味を確かめた参加者からは「肉もうまいし、既製品のタレよりおいしい」という声も聞かれた。

 参加した高田光浩さんは「家ではあまり焼き肉をしないが、昔から飯田ではマトンやジンギスカンなどを食べる文化があった。マトンが好きで、今日の自作のタレはおいしかった」と話していた。

 主催した同館文化部長の宮下昭彦さんは「参加型の講座で、多くの参加者から昔の飯田の焼き肉や食文化の話も聞けて、こちらも逆に勉強になって良かった」と振り返る。

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