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国重要無形民俗文化財「遠山の霜月祭り」、8地区で始まる 各地域で継承

木沢小学校での練習風景

木沢小学校での練習風景

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 国重要無形民俗文化財「遠山の霜月祭り」(飯田市上村・南信濃)が12月2日、8つの地区で始まる。

小道木地区、熊野神社の祭りの様子

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 旧暦の霜月である12月は一年で最も日が短いが、この時期に「村人の生きるエネルギーを復活させる」という意味を持つとされる祭りが「遠山の霜月祭り」。今年は入場制限を設けず、例年通りの規模で行う。

 飯田市美術博物館学芸員の近藤大知さんは「祭りの前半では全国から神様をお迎えし、竈(かまど)で沸かした湯でもてなす湯立て(ゆたて・ゆだて)の神事が繰り返される。後半では、地元で『お祀(まつ)り』する神様をかたどった面(おもて)を着けた住民が舞を披露し、『神様と交流する、楽しむ』と意味合い合を持つ」と、祭りの流れを紹介する。

 11月から各神社では、地元住民や保存会が中心となって祭りの練習や準備を重ねる。高齢化で継承が難しくなる中、「少しでも伝えていこう」との思いで、遠山中部にある木沢(きざわ)地区では2014(平成26)年、「木沢地区霜月祭り野郎会」を立ち上げた。同地区出身や在住者の他、祭りを支えたいという10~50代の40人ほどで構成し、継承を目的にサポート役に徹する。

 遠山出身で20代の近藤さんは、小学生で初めて舞に参加した経験を持ち、祭りに関わり続ける。「幼い頃に参加した祭りが、既に変化している部分もある。地域の変化とともに、祭りがどう変化するか、担い手としても関わり、学芸員として記録を続ける」と、祭りへの来場も呼びかける。

 開催日程は以下の通り。12月2日=小道木熊野神社・中郷正八幡宮、同9日=木沢正八幡神社、同11日=上町正八幡宮、同13日=下栗拾五社大明神・和田諏訪神社、同14日=程野正八幡宮、同15日=八重河内正八幡神社。

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