高級食材フィンガーライムを栽培し販売するフィンガーライムジャパン(高森町)と飯田市内のとんかつ・しゃぶしゃぶ店「3びきのこぶた」本店・座光寺店が10月26日、とんかつなどのメニューにフィンガーライムを添えて提供する新たな試みを期間限定で始めた。
フィンガーライムはオーストラリアの沿岸国境地域の乾燥した熱帯雨林に生息するかんきつ類で、粒状の果肉と色彩豊かな多品種が特徴の食材。プチプチとした食感がキャビアに近いことから、「フルーツキャビア」「森のキャビア」とも呼ばれ、国内での生産はごくわずか。
同社代表の仲平豊実さんは10年前にフィンガーライムの栽培を始め、今では果実のほか、苗木も販売している。元々はシクラメン農家で、花栽培を行う設備を利用することでフィンガーライムの栽培を可能にした。フィンガーライムの収穫時期は9月~10月で、今年は1個当たりの重量が例年よりも大きく成長したという。「フィンガーライムを南信州の名産にしたい」という仲平さんの思いを聞いた「3びきのこぶた」を経営するサン・コーポレーションの古田嘉仁社長が共感し、コラボ企画が実現した。
「3びきのこぶた」で提供するメインメニューは、南信州ブランド豚「幻豚」を使ったとんかつで、料理長の河野雅臣さんは「フィンガーライムを使うのは初めて。レモンの酸味よりパンチのある味で、実を搾ってとんかつにのせて食べると独特な食感と爽やかな風味でさっぱりと食べられるのでお薦め」だという。
仲平さんは「果汁が出ないので揚げ物などがベタつかず、カリカリのまま食べることができ、果実をかんだ時にプチプチとした食感と爽やかなレモンのような酸味が広がる。今までにないかんきつ類で、南信州で栽培していることも知っていただければ」と話す。
フィンガーライムの提供は平日のランチタイム限定で、1人につきフィンガーライム1本の半分を添えて提供する。在庫がなくなり次第終了。ランチの提供時間は11時~。水曜定休。