パティスリーポルカ(飯田市鼎、TEL 0265-52-1776)が菓子ブランド「飯田結いの菓」を立ち上げ、6月1日、第1弾「結びサンド」の販売を始めた。
1957(昭和32)年に福澤房男さんが「福澤製菓」を開業し、白あんを使った半生菓子「栗しぐれ」を考案し、飯田の半生菓子産業の基盤を作った。2代目の芳一さんが1975(昭和50)年に洋菓子店の「ポルカ」をスタートした。新ブランドは、3代目となるオーナーパティシエの裕介さんと、専務の伸吾さん兄弟が中心となって立ち上げた。
伸吾さんは「祖父は自身で考えた『栗しぐれ』を多くの人に届けたいと、製法を他の菓子店にも広め、半生菓子が飯田の地場産業になるきっかけを作った。新商品に『栗しぐれ』の材料である白あんを使い、祖父の思いや半生菓子の歴史を届けたいと考えた」と振り返る。
白あんとの相性が良い食材をと考える中で、地元の酒蔵である喜久水酒造(鼎)の「酒かす」にたどり着き、2つを合わせた菓子が誕生した。白あん・酒かす・ホワイトチョコレートとバターに、日本酒に漬けたレーズンを加えたものをサブレに挟んだ。伸吾さんは「酒かすの風味を感じつつ、アルコール分は炊いて飛ばした。既存の商品『りんごっこ』を改良し、サブレにしっとり感を持たせ、味と食感のバランスを細かく調整した」と紹介する。
「飯田」の語源と言われる「結いの田んぼ」から「結」の文字を取り、ブランド名と菓子名に入れることで、店のルーツや新商品開発での人とのつながりなど、菓子作りへの思いを込めたという。クラウドファンディングサイト「Makuake」で7月17日まで、先行販売する。
営業時間は9時30分~18時30分。水曜定休。