飯田女子短期大学(飯田市松尾)の学生考案のパンと焼き菓子が12月2日、完成した。
パンと焼き菓子は、同短大家政学科食物栄養専攻2年の授業「食品開発実習」で学生が考案したもので、今年で3年目の取り組みとなる。学生たちは、同短大と提携する市内の店の職人から実習指導を受け、共同で開発した。
学生は8つのグループに分かれ、パンと焼き菓子のレシピを考案し、試作を重ねて一種類ずつ完成させた。バナナ味のパンを食べたいと「バナナクリームチーズ入りレーズンパン」を考案した学生は「バナナがタンパク質を分解することを初めて知った。試作でバナナの量を調整し、他の食材も取り入れた」と話す。「南信州のリンゴを使ったクイニーアマン」を完成させた学生は「リンゴのコンポートを使うと、水分が多く生地がベチャベチャした。ドライフルーツを入れることで、見た目も整い、甘酸っぱさが味のアクセントになった」と実習の成果を話す。
実習では、パン工房ゆめのや(今宮町)の後藤聡さんが、パンへの霧吹きを学生に見せながらの指導もあった。指導を受けた学生は「分からないこと、知らなかったことを習うことができた。技術を見ながら習えるので、加減が分かってありがたい」と笑顔で話す。別の学生は「パンに力を加えすぎると膨らまないイメージがあった。『醗酵をしっかりさせること』を習い、実習を通して感覚が分かった」と話す。指導する後藤さんは「学生のコンセプトがはっきりしていて、店で販売できるクオリティーになっている。完成する喜びを体感してほしい」と実習を振り返る。
今回完成したパンと洋菓子はパン工房ゆめのや、エンゼルパン、タイホーパン、パン屋カンパーニュ、パティスリーマサオオシマの市内5店舗で来年1月以降に販売する予定。同短大の千裕美教授は「授業では食物に関する化学や根拠を学んできた。実習ではプロから、技術や商品への工夫など実践を教えていただく良い機会になっている」と話す。