
座光寺保育園(飯田市座光寺)の年長園児15人と保育士4人が3月7日、地域の飲食店と養殖施設を見学した。
最初は、同園から2.5キロほどの料理店「うなぎや」へ徒歩で訪問し、店主からコツを習いながらウナギのつかみ取りに挑戦した。その後、アユの飼育施設「匠天龍鮎」に向かい、約100立方メートルの水槽で泳ぐアユを観察。アユが波打つように水面を集団で泳ぐ姿が見えると、園児たちは「アユ、アユ、アーユ」と大きな声で即興の「アユの歌」を繰り返し歌い、元気に体を弾ませた。
同施設社長の棚田健治さんは「ここで1月から育てて、今は体長10センチくらい。手づかみで3匹ずつ取れるかな」と呼びかけ、園児たちは体長10センチのアユが30匹ずつ泳ぐ3つのたらいから、ビニールコップへ3匹ずつ捕まえる経験をした。
この日は風が強く寒さも感じられたが、「取れた」「つかんだ」と園児たちの元気な声が響いた。同園の壬生恵美園長は「当園の保護者の協力で続けられている貴重な機会。普段の生活ではなかなか体験できないことを楽しく学べている」と、園児たちの様子を眺めながら話す。
園児たちは捕まえたアユを隣にある料理店「和み処 遊月(ゆうづき)」に持ち込み、昼食で楽しんだ。店主の棚田務さんが素揚げにし、「今のアユはほろ苦さがあり、香りも楽しめる」と紹介。壬生園長から「大切に頂きましょう」とあいさつがあり、園児からは「柔らかくてサクサクする」「つかんだ時より小さくなった」「苦い」「おいしい」などの声が上がった。
健治さんは「子どもたちにとってアユが身近な存在ではないので、実際に触れる機会を持ってもらえて良かった。子どもたちの笑顔がいい。ここ数年続けてきて、『保育園の時に見学へ来た』という小学生が立ち寄ってくれることもあり、うれしい。こういう機会を増やしていけたら」と、園児たちの姿を眺めながら目を細める。