黒田人形浄瑠璃伝承館(飯田市上郷黒田)で5月10日、「太夫(たゆう)体験講座」が全3回の日程で始まった。主催は伊那人形芝居保存協議会。
黒田人形保存会(黒田)、今田人形座(龍江)、早稲田人形保存会(阿南町)、古田人形芝居保存会(箕輪町)の4座から成る同協議会。各座共に後継者不足が課題となっており、少しでも伝統芸能に触れ、関心を持ってもらうのが目的。昨年は第1弾として「三味線体験講座」を開催。今回は第2弾として人形浄瑠璃に欠かせない語り手「太夫」を体験してもらおうと企画した。
参加者募集は、4月6日の黒田人形浄瑠璃奉納公演や各座を通じて告知。飯田下伊那内外から12人の申し込みがあった。今田人形座と下條歌舞伎で太夫を担当する川上秀子さんが講師を務めた。
講座では川上さんが「伊達娘恋緋鹿子(だてむすめ こいひがのこ) 火見櫓(ひのみやぐら)の段」や「伽羅先代萩(めいぼく せんだいはぎ) 政岡忠義の段」などの背景や場面を解説しながら手本を見せ、「同じ言葉を繰り返すところは同じ調子では言わない。必ず強弱や大小で使い分ける」「声は自分自身の出しやすいトーンで」などとアドバイスした。
参加者はテキストにメモを取りながら川上さんの話に耳を傾けたり、手本の「太夫」を録音したりしていた。初日の最後は全員で「火見櫓の段」を声に出して語った。
下條村在住で下條歌舞伎役者の古田紗緒里さんは「川上さんの語りを近くで聞いてきて、やってみたいと思って参加した。今年の定期公演では役者以外に太夫もやる予定。三味線に合わせ語るのは大変だが頑張りたい」と意気込みを見せた。
川上さんは「この機会に関心を持ってもらい、参加者の中から太夫を継続してくれる人が出てきてくれるとうれしい」と期待を寄せる。