カーネーションを生産・出荷する村澤農園(飯田市鼎切石)で現在、「母の日」を前に出荷作業が本格化している。
出荷の作業をする夏樹さん。茎の下側の葉を落としながら、茎の長さによって選別をする
同園の村澤俊彦さんは南信ハウスカーネーション組合の飯田地区会長を務める。同組合は飯田下伊那地域の農家11軒で構成し、定期的にハウスに集まり、勉強会や有益な情報を共有しながら品質の維持と向上に努めている。
同園では約1000坪に数棟あるハウス内で4万本の苗を育て、年間で約40万本を出荷する。村澤さんは「植え付け時期をずらし、品種に合わせた管理を行いながら一年を通して出荷を続ける」と紹介する。東京、神奈川、大阪、県内では松本など全国の市場へ出荷している。
この日は妻の夏樹さんと共に収穫作業を行い、カーネーションの茎の長さや花の数を見ながら選別し、25本ずつ束にして出荷用に整える作業を繰り返していた。
俊彦さんの父、好保さんが高校卒業後に研修を重ね、約50年前に開園した同園。妻の淳子さんと共に営んできた。現在は俊彦さん夫婦とスタッフを合わせた8人で管理作業を行う。俊彦さんは「市田柿や米も栽培し、土にまみれながら農業に向き合っている」と話す。
栽培では芽の本数を整理して形を整えるなどの作業も欠かせない。俊彦さんは「苗を植えてから数カ月後に花が開く。つぼみが開きすぎず、閉じたままでもない状態で切る。温度によって3日~1週間おきに収穫するため、タイミングが難しい」と話す。実家がバラ農家だという夏樹さんは「暑さや虫からカーネーションを守る必要があり、管理が重要」と話し、2人は「なるべく手をかけて、きれいに咲かせるために取り組んでいる」と紹介する。
現在は13種類のカーネーションを栽培し、1本の茎に1輪の大きな花を付けるスタンダードタイプと、枝分かれして小さな花を複数咲かせるスプレータイプがあり、全体の約9割をスプレータイプが占める。ピンクや緑などの中にも濃淡があり、品種ごとに違いが見られる。
俊彦さんは「花は誰かに贈ることが多く、お祝いや感謝など人の気持ちと共に渡される。その気持ちに合わせて伝えられる花であればうれしい」と話す。「この時季は花に追われる生活で、花に合わせての生活になる。見てきれい、かわいいなと感じてもらえるように育てている」とも。
今年の「母の日」は5月10日。