
阿智村と「南信州広域タクシー(アップルキャブ)」(飯田市上殿岡)が9月2日、「EVタクシーを活用した交通分野の脱炭素化に向けた連携協定」を同社阿智営業所(阿智村駒場)で締結した。
同協定は、主に阿智営業所の太陽光発電で発電した電気を村内を走るEVタクシーに活用。災害発生時には電力の供給や、阿智営業所を避難所として開放し、電気を供給するなどが盛り込まれ、再生可能エネルギーの活用で脱炭素化を進めるもの。
両者は、これまでも 2022 年、全国初の災害協定「EVタクシーによる災害時の電気の供給」。 2024年、運輸部門からのCO2削減に向けた「次世代自動車導入促進のためのインフラ施設提供に関する協定」を締結し、次世代自動車の導入促進の後押しをしてきた。
同村は昨年9月にEVタクシーを同営業所に導入し、11月には太陽光パネルを屋根に設置。タクシーには村の観光PRを目的に、ハナモモや星空のラッピングを施した。フル充電すると350キロ~400キロ程度の走行が可能で、1回の充電で1日、村内の運行をカバーできるという。
今回の協定では、同営業所を大規模災害時のライフライン確保のため避難所として提供することも盛り込まれた。同社の鈴木佳史社長は「日中は自家消費に利用し、夜間はEV タクシーを蓄電地として活用することで地域住民の安心につなげる」と話す。「自治体と企業の共助による全国初の取り組みになるのでは」とも。
熊谷秀樹村長は「ラッピングのEVタクシーが走ることで、村で発電した電気で走っていることが一目で分かるのでは。多くの人に見てほしい」と話す。
鈴木佳史社長は「日本一の星空の村、 阿智村でゼロエミッションタクシーを走らせたいという大きな思いが村の協力の下、実現した」と感謝の思いを話す。