
書家の石原獨往(どくおう)さんが4月22日、「ギャラリー南無」(飯田市立石)で、5月3日~5日に開催される「第8回南無フェス」に向け大画面倉壁画制作を行った。
当日は、同ギャラリーの特設スペースで、大型のキャンバスに筆を走らせた。石原さんは、4メートル四方のキャンバスに、「蓮池」と揮毫(きごう)。中国の古代文字を用い、臨場感を重視した即興の表現とした。石原さんは「何を書くかは決めずに、朝目覚めた時にふと浮かんだ文字にした。すぐ近くに蓮池があるので、この場所で書くことを大切にしたかった」と話す。
使った筆は、師である書道家・秀島踏波(ひでじま・とうは)さんから「どんどん書きなさい」と贈られた思い出の品。「うまく書こう、型にはめようと思わず、ただ書く。体力的には疲れたが、気持ち良かった」と振り返る。紙の上とは違い、今回はキャンバスでの制作だったため、足場を移動しながらの作業に初挑戦。墨汁は約4リットルを使ったという。
完成した作品は、同ギャラリーの「青の間」の外壁にはめ込み展示する。併せて、石原さんは同ギャラリーで、自身の過去作から新作まで約40点を展示予定。「若い頃の作品を見るのは気恥ずかしいが、さまざまな手法に挑戦してきた。見ていただければ」と話す。
南無フェスでは、石原さんのほか、参加作家4人の作品を並べる。版画・フレスコ画を手がける今村由男さん、ミクスメディアの北村月香さん、日本画のしろたゆかりさんが、それぞれの表現で作品を披露する。
期間中、雑貨や手作りケーキ、フランクフルト、コーヒー、改良メダカなどの販売ブースが並ぶほか、4日11時からは三味線と太鼓によるコラボステージ「和奏」も行う(雨天中止)。井出嘉仙の特別展や水木工房による陶芸展示も予定する。
開催時間は9時~16時(5日は15時まで)。入場無料。