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長野県宝「舞台校舎」で「大鹿歌舞伎」特別公演 築150周年記念で

麻績の里振興委員会会長の筒井誠逸さん

麻績の里振興委員会会長の筒井誠逸さん

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 大鹿歌舞伎の特別公演が11月3日、「麻績の里(おみのさと)舞台校舎」(飯田市座光寺)で行われる。

大鹿歌舞伎「鎌倉三代記 三浦別れの段」(写真提供=座光寺公民館)

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 1874(明治7)年建築の「舞台校舎」は、旧座光寺麻績小学校の校舎として1988(昭和59)年まで使われ、翌年には長野県宝の指定を受けた。木造2階建てで、1階を歌舞伎舞台とし、県内で現存する小学校校舎として最も古いとされ、今年で校舎竣工から150年を迎える。

 麻績の里振興委員会会長で7年ほど前に大鹿歌舞伎を見たという筒井誠逸さんは「とても味がある。映画『大鹿村騒動記』の舞台にもなり、あまりにも有名で人気のある大鹿歌舞伎に、舞台校舎で演じてほしいと長らくお願いをしていた」と振り返る。

 国重要無形民俗文化財にも指定されている同歌舞伎は、長野県内外の公演に呼ばれスケジュールが立て込んでいる中、「11月3日に舞台校舎での公演を引き受ける」と筒井さんへ連絡があり公演が決まったという。外題は「鎌倉三代記 三浦別れの段」。

 現在75歳の筒井さんは、「65年以上前の家庭科の授業では、雑巾などを縫う裁縫を舞台校舎2階で行ったのを覚えている。一面畳敷きで、授業だけでなく懇親会などにも利用した。貴重な体験」と、舞台校舎での思い出を話す。

 各村で村芝居が盛んだった明治初期、「この地域は住民が1500人ほどだった。校舎と歌舞伎の舞台の両方を作りたい、それならば『舞台校舎』を作ろうということになった。地域住民全員が協力し、杉やヒノキを切り出し、大きな素晴らしい梁(はり)があり、全て人力で、住民みんなの熱意で建てた」と舞台校舎の歴史を紹介する。

 筒井さんは「樹齢350~400年といわれる『麻績の里舞台桜』があり、地元の宝といえるこの場所で行う特別公演に、ぜひお出かけいただければ。客席は舞台校舎前の外の広場なので、防寒対策も忘れずに」と来場を呼びかける。

 12時開場、13時開演。全席自由のチケットは3,000円で、飯田市役所座光寺自治振興センター(TEL 0265-22-1401)などで扱っている。

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