松川町の天然記念物の杉の巨木がある大洲(おおしま)七椙神社(松川町元大島)で10月5日・6日に秋季例大祭が行われ、約15年ぶりとなる巫女(みこ)舞を奉納した。
同神社には樹齢1000年以上の杉の木7本(町天然記念物)が現存する鎮守の森があり、長い歴史の中で、どの木も病気や落雷などに合わなかったことから、健康長寿や試験に落ちない学業の御神木として親しまれてきた。
杉の木を管理する地元の上新井地区ではこの森を後世に継承するため、クラウドファンディングで樹勢回復事業を計画しているという。今回の巫女舞は、その話題作りや地元のにぎわいを出すために行った。
巫女舞を披露したのは伊那北高校3年で松川町在住の細江優月(ゆずき)さん、飯田女子高校1年で同町在住の細江空良(そら)さん、松川高校3年で同町在住の大西優菜さん、飯田風越高校で豊丘村在住の三石琴音さんの4人。約2カ月間、舞を練習してきたという。拝殿で行われた巫女舞は厳かな雰囲気の中で、宮司や氏子らが見守る中、戦後に同町を活気づけるために作られた歌とともに披露した。細江優月さんは「想像以上に多くの人に見てもらうことができた。練習してきた成果をしっかりと奉納できて良かった」と振り返る。
当日は、上新井地区の公民館主催で焼き鳥、フランクフルト、おもちゃなどを販売する屋台も出店。大洲七椙神社の屋台獅子の奉納演舞もあり、多くの親子連れでにぎわった。
同町上新井地区の田村健一区長は「杉の木の管理や樹勢回復はまだ計画段階。まずは多くの人に七椙神社や杉の木の事を認知してもらうことが重要。今年は多くの人が来てくれて盛り上がって良かった」と振り返る。
巫女舞を企画した竹村久永さんは「夕祭りの竹灯籠は松川中央小学校の4年生に作ってもらった。巫女舞もそうだが、地域の子どもたちに関わってもらい、このにぎわいを続けていければ」と先を見据える。