銅版画家・今村由男(よしお)さんの作品展「今村由男展」が6月4日、「ウェル・カム」(飯田市羽場町)で始まった。
作品展「今村由男展」の展示会場「ウェル・カム」(飯田市羽場町)
銅版画とフレスコ画の新作15点が並び、同会場での展示はコロナ禍を受け4年ぶりとなる。今村さんが訪れた、北フランスやスロベニアなどヨーロッパの景色や自身のアトリエ周辺に咲くクリスマスローズなどが画題。今村さんは「北フランスの広大な土地にある村の風景。村には教会があって広場もある」と村の印象を話す。
「意図したイメージを綿密に制作する銅版画と、描いたり消したりを繰り返して制作するフレスコ画。作り方は全く真逆」と制作過程を紹介する今村さん。「フレスコ画も計画通りに仕上げれば楽だが、そうすると偶然が介在してこない。描きすぎるとつまらないし、狙ったものが出てくるのには時間がかかる。意図しない効果を待っている」と制作中の心境を話す。
1997(平成7)年に文化庁芸術家在外研修員としてパリに留学し、モロッコやスペイン、韓国や中国で滞在制作を行った今村さん。2017(平成29)年にはクロアチア国際版画ビエンナーレ「スプリットグラフィック」でグランプリを受賞するなど、現在まで国内外で制作活動を続けている。
「作品のイメージは絶えず頭の中に浮かんでいる」と話す今村さん。「このモチーフや表現が今村だなと感じてもらえるように描いている。ぜひ、ご覧いただければ」と来場を呼びかける。
開場時間は9時~16時。観覧無料。6月15日まで。