今年3月2日に81歳で亡くなった画家・原田泰治さん(諏訪市生まれ)の追悼展が6月12日、伊賀良公民館(飯田市大瀬木)で始まった。主催は伊賀良まちづくり協議会。
伊賀良公民館で画家・原田泰治さん追悼展 少年時代の写真なども
原田さんは4歳から中学1年の春まで、当時の伊賀良村(現在の飯田市北方)で過ごした経緯がある。追悼展では、絵画、掛け軸、色紙、ふすま絵のほか、伊賀良地区在住の同級生らが所蔵する少年時代の写真、旧友との交流の様子、その中で描かれたメッセージなど約100点を展示している。
初日には開会セレモニーを実施。佐藤健飯田市長、熊谷邦千加教育長や遺族、同級生らが出席。原田さんのこれまでの功績をたたえ、飯田市市政功労者表彰の贈呈式も行った。賞状を受け取った長女の原田美室さんは「今まで父を支えてくださり、本当にありがとうございました」と感謝の気持ちを述べた。
原田さんは1歳の時、小児まひを患い、足が不自由な中、「ふるさと」をテーマに日本の原風景を描いてきた。伊賀良地区や小学校で過ごした経験を大切にしており、これまでの講演や著書の中で「伊賀良の太陽と空気、土のぬくもりの中で育った。小学校での思い出や体験が絵の原点」と語っている。
同協議会の宮下博会長は「本業のグラフィックデザイナーとしての視点と、海外の画家との交流で素朴派画家として成長した原田さんの独特な世界を楽しみ、ふるさと伊賀良を感じてほしい」と話す。
開催時間は8時30分~17時15分(ロビーは21時まで)。入場無料。今月18日まで。献花台や記帳台も館内に設ける。