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小刀で削る「木のスプーンづくり」講座 阿智村の工房が大人向けに開講

クルミ、トチ、ナラ、ホウなど木の種類で色も違う

クルミ、トチ、ナラ、ホウなど木の種類で色も違う

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 阿智村に工房を構える「工房菜や(ななや)」(阿智村智里、TEL 0265-44-2412)の水上雅彦さんが講師を務めた大人向け教養講座「木のスプーづくり」が6月12日、「かざこし子どもの森公園」(飯田市丸山町)で開かれた。

スプーンづくり講師

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 4回目となる同講座では、小刀だけを使い木からスプーンを削り出していく。受講者は、コーヒーメジャースプーンやスープスプーンといった用途に合わせ、クルミ、トチ、ナラ、ホウなど木の種類から1つを選び製作に取りかかった。水上さんは小刀の持ち方をレクチャーしながら、「木には柾目(まさめ)と板目(いため)があって削りやすさが違う。まず削ることに慣れるようにスプーンの持ち手の部分から削りましょう」と説明し講座が始まった。

 水上さんから「小刀を持つ手つきが皆さん、とても様になっている。慣れたころ刃物の前に手が出てしまうことがあるので慎重に」などと声を掛けながら講座を進めた。スプーンのカーブの部分の削り方では「立ち上がりスプーンを作業台に当て、小刀を前にスライドさせながら削る」と実演を交えて指導する場面も。休憩を挟んで午前から午後にかけて5時間ほど行われた講座で、受講者は黙々とスプーン作りに励んだ。スプーンの形が整うと、持ち手部分に「はんだごて」で好きなデザインの印を描き、エゴマ油を全体に染み込ませ完成した。

 同講座は以前、中学生向けの体験プログラムとして行っていた。「地元の方にも体験してほしい」と同園スタッフが水上さんへ提案し実現した。受講した飯田市在住の女性は「ものを作ることが好きだが小刀での製作は初めて。時間がたつのも忘れ、木を削ることに夢中になり楽しかった」と笑顔で振り返る。別の女性は「小刀で木を削る感触が心地良かった。このスプーンで何を食べようか考えるとワクワクする」とほほ笑む。

 里山の木々を使い家具、調理器具、遊具などを製作販売する「工房菜や」。水上さんは「小刀で少し削ったり、ものを作ったり、工夫次第でさまざまなことが経験できる。道具を使って別の道具を作る。人間の営みの原点に触れてほしい」と話す。

 9月11日には親子向け講座「つみきをつくろう」を予定する。

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