飯田市は4月19日~21日までの3日間、市内で自動運転バスの試乗会を開いた。
同市は、リニア開業後に、リニア駅と市中心市街地などを行き来する移動手段として、自動運転車両の導入を検討しており、実現に向けた実証実験の一環。試乗した市民からの意見も参考にしながら導入に向け準備を進める。
自動運転技術は、5段階のレベルに分類し、レベル0は人の運転が確実に必要な状態、レベル5は完全な自動運転で、人の操作が全く必要ない状態。今回は走行ルート上の障害物などを避ける場合や車両を切り返す時などは、ドライバーが運転支援を行う状態の「レベル2」で実証実験を行った。車両は、時速20キロ未満で公道を走ることができる「グリーンスローモビリティー」を使用。
走行ルートは、市内で週末に運行している小型電気バス「プッチ―」の経路と同じ、飯田市美術博物館、動物園前、飯田駅前を周回するルートに設定。愛知県のソフトウエア開発会社に高精度な3次元地図の作成を依頼。地図データを取得後、仮想空間でシミュレーションを行い、安全性などを確認し、今回の実験に至った。運営支援などは東京の大手建設コンサルタント会社が担った。
試乗体験会当日は30分間隔で巡回運行し、設定ルートを9周した。試乗会に参加した市内在住の鈴木貴雄さんは「自動運転の実用性を自分で見てみたいと思い参加した。まだ飯田下伊那地域には自動運転車両はないので、PRするにはいい機会」、中村由香さんは「自動運転に関心があった。信号などでは手動に切り替えての運転だったが、すごく運転性は高く感じた」と、それぞれ振り返った。
市リニア推進課の下平泰寛さんは「3日間とも多くの申し込みがあり驚いている。自動運転車両に対して市民の関心も高いと感じた。今後の検討材料として、試乗した方の感想なども参考にしていきたい」と話す。