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飯田で「三六災害シンポジウム」災害を風化させず教訓として継承

三六災害シンポジウムパネルディスカッションの様子

三六災害シンポジウムパネルディスカッションの様子

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 1961(昭和36)年に伊那谷を襲った豪雨災害「三六災害」(以下、三六災)をテーマにした「三六災害シンポジウム」が6月12日、飯田文化会館(飯田市高羽町)で開催され、約350人が来場した。主催は三六災害60年実行委員会(事務局:国土交通省中部地方整備局天竜川上流河川事務所)

三六災害シンポジウムパネル展示

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 三六災は1961(昭和36)年6月23日、梅雨前線の停滞に加え台風6号が接近し、伊那谷の広範囲で被害が拡大。死者136人、浸水戸数1万8488戸、被害総額約341億円(現在の1,224億相当)という土砂災害史上に残る大災害で、以後60年、この地域に連綿と語り継がれてきた。昨年、三六災60年の節目で同シンポジウムを企画したが新型コロナの影響で延期となっていた。

 同シンポジウムは災害を風化させず、教訓として継承し、さらに地域と共に水害・土砂災害に備えた地域づくりを目指すことを目的に開催した。基調講演では元国土交通省河川局砂防部長の牧野裕至さんが「天竜川上流の降雨特性と地形~三六災害豪雨等の特性」と題して講演。会場からの質問に対し、「この地域は山々に囲まれているため、雨そのものの量は少ないが、峠を越えて入ってきて雨が降るときは、土質の関係もあり300~400ミリ程度の雨でも土砂災害になる恐れがある。土砂災害は雨の量だけでは決まらない」と答えた。

 続くパネルディスカッションでは「三六災害を振り返り、近年の異常気象を踏まえ、命を守る行動を考える」をテーマに前大鹿村長の柳島貞康さんや同事務所の佐藤保之所長など6人が意見を交わした。コーディネーターを務めた信州大学(地域防災減災センター防災減災研究部門長)の平松信也さんは最後に「単に伝言ゲームのように伝えるだけではなく、個々に考えて模索していく、その行動を起こすことが重要で、それが災害時の自助の第一歩につながり、また共助につながっていく」と締め、一人一人が考えることで地域の防災力の向上につながる意義を訴えた。当日様子はユーチューブでもライブ配信した。

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