800年ほど続く伝統行事「時又初午(はつうま)はだか祭り」が3月10日、 飯田市時又で開催された。
鎌倉時代から続く伝統的な祭りだが、近年は地元での担ぎ手が減っており、今年は担ぎ手募集のチラシをまくなどして地域外からも担ぎ手を募集した。大人みこしには東京や京都など地域外からの参加者を含め70人、子どもみこしには地域内外から140人の担ぎ手が集まり、早春の伝統行事を盛り上げた。
13時、長石寺(飯田市時又)を出発した御神馬(しんめ)やだるまなど大人5基、子ども3基のみこしと、時又保育園の園児らが担ぐ子どもみこし6基が「御水(オンスイ)、御水」というかけ声とともに1時間ほど地区を練り歩いた。みこしには「能登半島地震復興祈願」の文字を入れ、絵馬などのグッズ販売などの売り上げの一部を寄付するという。
天竜橋付近での「御水清めの儀式」「長老松の儀式」などを経て、14時過ぎに天竜川の時又港へ。飯田市の気温は、暖かかった昨年(20度)と比べ12度低い8度。天竜川の水温は5度。さらしを巻いた70人の担ぎ手が「御水」のかけ声とともに天竜川へ入り身を清めクライマックスを迎えた。
今回担ぎ手募集を地元の友人から聞き軽井沢町から参加した伊藤優人さんは「とにかく寒かった。みんな威勢がいいので自分も元気よく担げた。とても楽しかった」と振り返る。
保存会の安東正行会長は「天気に恵まれて、子どもたちが大勢来てくれたので盛大にできた。若い担ぎ手は元気があって大変良かった。今後も何とか担ぎ手を確保しながら祭りを継承していきたい」と先を見据える。