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飯田美術研究所卒の美大生2人が地元で作品展 洋画・写真作品展示

足立優也さんと仲井愛美さん

足立優也さんと仲井愛美さん

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 飯田美術研究所(飯田市吾妻町)の卒業生で、現在は武蔵野美術大学(東京都小平市)へ通う学生2人の作品展「FineとDesigh」が12月27日、ギャラリー「吾亦紅」で始まった。

市内のスクランブル交差点角「ギャラリー吾亦紅」

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 美大の入試へ向け鉛筆デッサンや色彩構成を指導する同研究所卒業生の足立優也さんと仲井愛美さん。足立さんは中学2年生の夏から、仲井さんは高校3年生の夏から同研究所へ通い、現在は共に同大へ通う3年生。今年夏、同研究所主宰の桐生好さんと、研究生や卒業生が、美術大学のオープンキャンパスで久しぶりに顔を合わせたのをきっかけに、「せっかく、同じ大学と学年。飯田で一緒に作品展を開いてみたら」と、桐生さんからの提案を受け、今回の展示へとつながった。

 同市出身の足立さんは、同大油絵学科油絵専攻に通い、今回は油絵7点を展示する。同校同学科の1・2年生は与えられた課題に向け作品を制作し、3年生からはモチーフ探しから取りかかるという。足立さんは「動物園や牧場で見た動物に魅了された。牛や象は日常では見ないので、何もかも違いすぎて新鮮だった。動物園は動物によって違う匂いがあり魅力的で、絵にしたいと感じた」と、モチーフを選んだ時を振り返る。

 足立さんは画面上の色にも触れて「自分で実際に見える色が魅力的ではない。現場でスケッチをし、魅力的と感じる色に置き換えて表現する」と、構成と色について紹介する。今回の作品展では、足立さんが3年生になり取り組んだ作品を並べる。「ゼロから構成を考えることに難しさもあったが、『自分で創る楽しさ』が今はある。今回の作品展のテーマは『モチーフ探し』、3年生の実習を通して、自分は何が描きたいのか分かった」と振り返る。

 同市出身の仲井さんは、同大デザイン情報学科に通い、今回は写真30点ほどを展示する。1年時は、CGやアニメーション、編集、写真など全学生が幅広く学び、2、3年時では個々で、興味ある分野を学び掘り下げるという。飯田の景色が好きで、写真に収めることが多かったという仲井さんは本格的に写真を始め、3年生では「都会的な東京」の風景を撮り続けているという。

 歩きながら撮影し、後から見返し、思いがけないモチーフの存在に新しい発見を感じるという仲井さんは「東京の整備された川沿いのを撮影した。橋が架かり、高い建物が混在し、強い無機質な印象を受けるが、歩いてみると印象が変わる。昼寝をする人、ランニング中の人、散歩をする人など、憩いの場所になっていて、穏やかな景色が広がっている」と作品制作を振り返る。

 「ゼミの教授から、私の作品は『明るく、穏やか』と言われる。全く正反対の作品を制作する学友もいて、同じ写真なのに対照的になるのが写真の奥深さと魅力」と、大学での様子を振り返る仲井さん。

 桐生さんは「アートとデザインと、2人の取り合わせが面白い。周りから刺激を受け学んでいる様子を作品からも感じる。大学での影響は非常に大きい」と、2人の作品を眺めながら、来場を呼びかける。

 開場時間は11時~19時(12月30日~1月2日は休廊、最終日は16時まで)。1月7日まで。入場無料。1月8日~31日はウインドーに展示する。

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