飯田水引のブランディングや地域活性化を目指す高校生グループ「いいらぼ」と関島水引店(飯田市鼎上山)が12月5日、オリジナル商品「飯田水引SDGsバッジ」を共同開発し、エス・バード(座光寺)で販売を始めた。
「いいらぼ」は飯田高校2年の宮下あかりさんと村澤春風(はるか)さんの2人が1年生時の探求学習を発展させ、地域活性化のための団体として今年4月に設立。活動をする中でさまざまな人の協力を経て現在、団体会員数が約40人に上る。
今回、開発したのは水引で作ったSDGsバッジ。バッジはSDGsの17色のカラーホイールを模して実際に水引の200色ある多彩な色から17色を選び編み込んだものと、17色の水引を絡めて淡路結びにしたものの2種類。台座に根羽杉の破材を使うなどして、この事業自体にSDGsの意味も込めた。
開発のきっかけは7月14日に行われた飯田市議会とのタウンミーティングだったという。その後、実際に関島水引店に足を運び、2人が結い方を覚えオリジナル商品の開発を始めた。関島水引店代表取締役の関島正浩さんは「若い世代の人がさまざまなアイデアを持ってきて伝統工芸をつないでくれている。今後につながるいい商品ができた」と話す。
2人は「このバッジを通してSDGsを考えるきっかけになれば」とし、期待を込め「飯田水引という伝統工芸を継承する意義も問いかけていければ」と話す。村澤さんは「水引は飯田のアイデンティティーで、その土地らしさを後世につないでいけるもの」と、伝統工芸を後世につないでいく意義を強調する。
宮下さんは、活動について、「いろいろな人との結びつきやさまざまな支援があってできたこと」とし、「誰もが自由に挑戦できる社会を創造したい」と、バッジの売り上げの一部を、子どもの学びを支援する「カタリバ」に寄付するという。
「いいらぼ」の今後の活動については、「イベントなどでバッチを販売しながら、1年生2人も加わったので、この活動を引き継いでいきたい。県外でワークショップをするなどして水引の魅力の発信に努めていく」と意気込む。
価格は1個2750円。