飯田市街地の「りんご並木」が誕生から70周年を迎えるのを機に、飯田東中学校(飯田市高羽町)の生徒がリンゴの木の解説プレートを刷新し、9月27日にお披露目と幕式が行われた。
りんご並木は1947(昭和22)年、市街地の約4分の3を消失した「飯田大火」の後、1953(昭和28)年に同校の生徒が防火帯の道路の中央にリンゴの木を植樹したことに始まり、現在に至るまで地元住民とも協力しながら世話や手入れをしている。現在は26本が植えられており、それぞれの木を紹介するプレートが設置されているが、経年劣化したものや病気により伐採した木もあり、実際の木とは違う箇所も見られることから、刷新することを計画した。全てのプレートを新しくするには約160万円の費用がかかることが分かり、クラウドファンディングで支援を募ったところ、県外の支援者も含め242人から約290万円の支援が集まった。目標額を超えた資金は今後の手入れにかかる費用に充てるという。
新しいプレートの制作を務めた「オギソ看板」(松尾町)の小木曽由起子さんは「生徒たちが並木を一生懸命に手入れしている様子も目にしていた。クラウドファンディングの話があったとき、額も大きいのでうまくいくのか不安もあったが、無事に今日を迎えられて良かった」と話す。支柱部分には樹脂と木材を合わせた人工木を使い、パネル部分にはステンレスを用いて、「20年、30年と長期にわたって使えるように設計した」という。
同校並木委員長の宮下悠雅さんは「クラウドファンディングでは資金の支援に加えて、添えられたコメントも力になった。これからも東中生みんなで愛を持って手入れを続けたい。地域外の人にも知ってもらい、足を運んでほしい」と呼びかける。