昨年11月から一時事業を休止していた飯田のポスティング事業所「まかせて飯田」が9月1日、ポスティング事業を再開し、国道沿いのユニーク看板には「再起動」の文字が躍った。
経営するペーパーシャワーズ(飯田市上郷別府)は1998(平成10)年に松本で事業を始めた。2014(平成26)年、「まかせて飯田」「すまいポート21飯田」を開業。2016(平成28)年、リニア時代を見据え本社を松本から飯田に移した。現在は長野県に6拠点、山梨県に3拠点のほか、福島県1拠点、沖縄県3拠点をフランチャイズ展開する。
国道153号線の高屋交差点付近に立つユニーク看板で知られる同社。2010(平成22)年に松本で同様の看板の掲出を始めた。村松昭文社長が事務所の2階で朝早くから仕事をしていた際、通勤するサラリーマンを見て「みんな下を向いて歩いている」ことに気づき、「上を向いて歩いてもらうためにはどうすればいいか」と考えたのがきっかけだったという。看板を思いついたが、「自社の宣伝では見てもらえない。そのころはリーマンショックで暗い話題が多かった時、言葉で元気づけられたら」と思い、ビジネスで役立つような偉人の言葉から漫画やドラマなどのせりふまで幅広く掲出した。
掲出する言葉は村松社長が人と会うとき、その人が持っている大事にしている言葉を聞き出してメモを取り、アイデアを蓄積しているという。過去には「人のためにするのが仕事、自分のためになるのが労働」など道徳的な言葉や、「このあたり美人多し、わき見運転注意!」「このあたりイケメン多し、スピード出しすぎ注意!」というウィットに富んだ看板、金八先生の言葉「逃げるな!道はたくさんある 逃げれば逃げ道しかない」などを掲出し話題になったことも。
令和の元号が発表された3日後には「ようこそ令和元年」「さようなら平成31年」という看板を立てるなど、アイデアには事欠かない。現在は3週間~1カ月の周期で松本、長野、飯田の拠点にある看板をローテーションで掲出している。
村松社長は「これからも、いろいろな言葉で地域の皆さんを元気にしたい。自分が大切にしている言葉を持っている人は、ぜひ教えてほしい」と呼びかける。