「肉汁うどん いちだ家」(高森町市田)が6月29日、国道153号沿いのJR飯田線下市田駅前にオープンした。
店内は無垢(むく)材の色と大きさを生かし、天井も高く明るい造りにした。カウンター6席のほか、テーブル席と座敷を各12席用意する。
地元産の小麦粉の全粒粉を使った手打ち自家製麺の「ごわごわ系のコワイ、黒」と、「つるもち系のヤワイ、白」の2種類の麺を用意する同店。シイタケのだしの利いた、しょうゆベースのつけ汁は、豚バラ肉の入った「肉汁うどん」(小盛り790円~)、鶏もも肉入りの「鶏汁うどん」(小盛り750円~)の他に、同町名産の「市田柿チャツネ」を隠し味にする「カレー汁うどん」(小盛り950円)など、5種類の汁を提供する。うどんの量は、小盛り(220グラム)~山盛り(500グラム)の5段階から選ぶ。その他、トッピングやご飯物もそろえ、「味変」用に無料のラー油も用意する。
店主の造船洋さんは「南信州おやき いちなり」の店主を務め、飯田下伊那の店やネットでおやきを販売している。おやき作りで小麦粉を扱ってきた経験を生かして「他にはないうどん」を作ることを考え、昨年から試作を重ねてきた。「食べ応えのある麺を目指した。すすれない、かみ応えのある小麦の香りを感じる麺の完成で、今まで自分の中にあった概念を覆された」と振り返る。
つけ汁には大きめに切ったナスやエノキダケ、シメジ、タマネギ、長ネギなど地元野菜などをたっぷり入れる。前日から仕込み、翌日に煮込むことで、田舎らしい濃い味の汁を提供する。「太さが数ミリ以上と存在感ある麺に合うよう、汁にもボリュームを持たせた。どちらも主役。汁メインでも楽しんでほしい」と、造船さんは特徴を紹介する。県外の来店客から「コワイうどんって何?」という質問が多く、「コワイは飯田の言葉で『固い』の意味」と説明すると驚かれるという。
営業時間は11時~16時。月曜定休。